相続人の不存在

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相続人の不存在 -2017/06/13-

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相続人の不存在

相続税の現場において、相続人が存在しない場合もしくはすべての法定相続人が相続放棄をした場合に、どのような手続きが必要か、また相続人が不存在となり、特別縁故者が財産分与を受けた場合の相続税申告において、特に注意すべき点などを確認していきたいと思います。

1.相続人が不存在とは

相続人が不存在とは、どのような状況か確認したいと思います。

まず、第一のパターンは、法定相続人が全員死亡しているなどで、存在しない場合です。
法定相続人については、配偶者と、第1順位として子供、第2順位として直系尊属、第3順位として兄弟姉妹という順で判定を行いますが、このすべての人が既に死亡しているもしくは元々いない等の場合は、「相続人が不存在である」ということになります。

第二のパターンは、法定相続人は存在するが、そのすべての人が相続放棄をした場合です。
相続が発生した場合には、上記の順位に基づいて法定相続人の判定を行いますが、放棄があった場合には、その次の順位の人が順々に法定相続人となります。そのすべての法定相続人が相続放棄した場合には、「相続人が不存在である」ということになります。

2.相続人が不存在の場合

相続人が不存在の場合、民法951条の定めにより、相続財産は法人となります。これを相続財産法人と呼びます。

相続財産法人となった後の流れは、以下のようになっています。

(1)家庭裁判所が相続財産管理人を選任し、遅滞なくその旨を公告します。
選任された相続財産管理人は相続人の捜索や、相続財産の管理・清算を行っていくこととなります。

(2)相続財産管理人が相続債権者及び受遺者に対し、請求の申出をなすべき旨を公告します。
申出をした相続債権者及び受遺者は、相続財産管理人からその弁済を受けることとなります。

(3)請求の申出の期間終了後においても相続人が現れない場合には、相続人捜索の公告をします。
この公告によっても相続人が現れない場合に、「相続人の不存在」が確定します。

(4)相続人捜索の期間終了後、3か月以内に、特別縁故者がその旨の請求を行い、相当と認められた場合には、特別縁故者への財産分与が行われます。

(5)上記がすべて完了後、処分されなかった相続財産がある場合には、国庫へ帰属します。

なお、上記の手続きは家庭裁判所のもとで厳格に行われていき、すべてが完了するまでにはおおよそ1年超の年月がかかると言われています。相続人が不存在の場合に債権等を有している場合には、実際にかかる手続きの期間や費用、回収可能性等を勘案して申立てを行うかの判断をする必要があり、実務上は断念するケースも多いようです。

3.特別縁故者の相続税申告

相続税法第4条の規定により、特別縁故者に対する相続財産の分与により相続財産が与えられた場合には、その財産は被相続人から遺贈により取得したものとみなして相続税が課税されることになります。

特別縁故者が財産分与を受けた場合の相続税申告において、特に注意すべき点は以下の通りです。

(1)申告期限
特別縁故者が財産分与を受けた場合の相続税の申告期限は、当該事由が生じたこと知った日の翌日から10か月以内。具体的には財産分与の審判確定から10か月以内となります。

(2)基礎控除
相続放棄により相続人が不存在となった場合は、放棄がなかったものとして法定相続人を計算し、通常と同様、「3,000万円+600万円×法定相続人の数」となります。
法定相続人が全員死亡しているなどで不存在となっていた場合は、法定相続人はゼロとなりますので、3,000万円のみとなります。

(3)財産価額
相続税の計算の基礎となる財産の価額については、相続時の時価ではなく、財産分与の審判が確定した時の時価となります。

(4)相続税額の加算
相続税額については、その特別縁故者が被相続人の一親等の血族でない限り、2割加算の対象となります。

(5)3年以内贈与
その特別縁故者が被相続人の相続の開始前3年以内に、被相続人から贈与により財産を取得したことがある場合においては、当該贈与財産の価額も相続税の対象となります。

(6)債務控除・葬儀費用
特別縁故者は相続人ではないため、債務控除の規定の適用はありません。ただし、特別縁故者が被相続人の葬儀費用又は療養看護のための入院費等を支出していた場合は、これらの金額を控除した価額を分与された金額として計算できる場合があります。

(7)関係法令等
その他、適用される法令等については、財産分与時ではなく、相続開始時点の法令等が適用されます。

相続人が不存在である場合には、複雑な手続きが必要となり、相続税の計算についても通常とは異なる計算を行う必要があります。
事前に相続人が不存在であることが判明している場合には、遺言を作成する等により整備を行うことが重要と考えられます。

監修者 荒巻善宏

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