相続税の延納・物納とは?国が定めた相続税支払いの猶予策

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相続税の延納・物納とは?国が定めた相続税支払いの猶予策

国税は金銭納付を前提としていますが、相続税の納付は分割して払えないのでしょうか。また、金銭ではなく物で納めることはできないのでしょうか。

国は納税額を現金で納めることが困難な場合には一定の条件の下で延納や物納を認めています。

延納も物納も《納税者からの申請》⇒《税務署による審査》⇒《許可または却下》という流れで進みます。

以下申請の条件や申請の期日などの概要について説明します。

相続税の延納制度とは

金銭で納付することを困難とする事由がある場合に、納税者の申請により、その納付を困難とする金額を限度として、担保を提供することにより、分割で納付する制度です。

申請における金額の制限

相続税額が10万円を超えており、かつ金銭で納付することを困難とする事由があってその納付を困難とする金額の範囲内であることが必要です。
つまり、現金での納付が困難である場合に限り、その範囲内で申請ができるというものです。

原則として担保の提供が必要

延納税額及び利子税の額に相当する担保を提供することとあります。

ただし、延納税額が100万円未満(※)で、かつ、延納期間が3年以下である場合には担保を提供する必要はありません。
※平成27度より担保を提供する金額がそれまでの50万円以下から100万円以下に変更となりました。

申請の期限

延納申請に係る相続税の納期限又は納付すべき日(延納申請期限)までに、延納申請書に担保提供関係書類を添付して税務署長に提出しなければなりません。

延納できる期間

延納の期間は相続財産に占める不動産等の割合によって異なっており、その財産の種類や割合により最長5年から最長20年(特定の森林については40年)を限度とする年賦によることができます。この場合、所定の利子率により計算した延納利子税を併せて納めなくてはなりません。

相続税の物納とは?

延納によっても金銭で納付することを困難とする事由がある場合に、納税者の申請により、その納付を困難とする金額を限度として一定の相続財産による物納が認められています。物で納めるという特殊な制度は、相続税の場合、突然に高額な税金の納付がかかってきますので、すぐに換金することが難かしかったり、売り急ぎによる処分価格の下落等を考慮して設けられています。

物納できる財産

ただし、どのような財産でも物納が出来るわけではなく、あくまでも金銭納付が困難であり、延納によっても払えないと認められた場合に物納により納付する流れになります。また、財産とその物納を受ける順番はあらかじめ国が決めていて、次のような財産及び順番になっています。

第1順位

国債、地方債、不動産、船舶

第2順位

社債(特別の法律により法人の発行する債券を含みますが、短期社債等は除かれます。)
株式(特別の法律により法人の発行する出資証券を含みます。)
証券投資信託又は貸付信託の受益証券

第3順位

動産

従ってまず、第一順位の財産があれば、その第一順位の財産から提供しなければなりません。不動産や社債があるのに動産による物納は原則許可されません。

先順位の財産に適当な価額のものがない場合や税務署長が特別の事情があると認める場合に限って後順位の財産を物納に充てることができます。

ただし、物納に不適格と判断される要素がある物件は、物納不適格財産となりますので、事前に所有されている資産について境界や権利の帰属などについて調査しておく必要があります。

物納は、延納によっても金銭で納付することが困難な金額の範囲内で認められるものです。

物納申請された税額について、金銭で納付することが困難な事由がないと認められた場合や金銭で納付することが困難な金額を超過していると認められた場合には、その全額又は困難な金額を超過している部分について、物納申請が却下されることとなりますので、注意が必要です。

そうすると、延納や物納が認められるかどうかという疑問が出てくると思いますので、次回はこの「延納や物納の判定」について解説したいと思います。

相続税の納税・延納・物納のすべて

相続税は相続の発生から10ヶ月以内に一括現金での支払いが原則です。

相続した財産が予想以上に多かったり、現金の用意が難しいなど期限内での支払いが難しい場合は、延納・物納を使い、相続税の支払いを先延ばしにする制度があります。

しかし、延納・物納を使うためには”ある”条件を満たしていなければいけません。

あなたが延納・物納を確実に使うために必要な情報や判断方法を全てご紹介しています。

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監修者 荒巻善宏

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