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市街地周辺農地の評価/広大地該当性|非公開裁決事例

≪裁決の要旨≫

1 本件は、審査請求人が、相続により取得した土地(本件土地)について、評価通達に定める広大地に該当するとして相続税の申告をしたところ、原処分庁が、当該土地は広大地に該当しないなどとして更正処分及び過少申告加算税の賦課決定処分をしたため、審査請求人が、原処分庁の判断は誤りであるとして、当該各処分の一部の取消しを求めた事案である。

2 広大地通達(評基通24-4)に定める「標準的な宅地の地積に比して著しく地積が広大」であるとは、開発行為を行う場合に都市計画法に規定する許可が必要であり、かつ、その土地の面積がそめ地域における土地の標準的な宅地の地積よりも広大である場合をいうものと解されるところ、本件土地は、都市計画法第5条に規定する都市計画区域に指定されていることから、当該区域において開発行為を行う場合には、同法第29条第1項の規定に基づく許可が必要であり、本件土地が所在するP市は、同法第33条《開発許可の基準》第6項に規定する事務処理市町村に該当するものの、都市計画法施行令第19条第1項ただし書に係る条例を定めていないため、同項本文に基づき、本件土地において開発行為を行う場合、都市計画法の規定に基づく許可を必要とする土地は、3,000㎡以上の土地となる。

3 そうすると、本件土地は、面積合計596㎡であって、開発行為を行う場合、都市計画法の規定に基づく許可を必要とする3,000㎡以上の土地には当たらないから、本件土地は広大地通達に定める「その地域における標準的な宅地の地積に比して著しく地積が広大な宅地」には該当しない。

4 広大地通達の趣旨は、都市計画法に規定する許可を受けた上で開発行為を行わなければならない場合には、公共公益的施設用地として相当のいわゆる潰れ地が生じ、評価通達その他の定めによる減額の補正では十分とはいえないことがあるから、このような土地の価額の評価に当たっては、潰れ地が生じることを当該土地の価額に影響を及ぼすべき客観的な個別事情として、相当な減額の補正を行うことにあると解されるところ、まちづくり条例は、開発行為を行おうとする際に、市長への届出及び確認を求めるものにすぎず、都市計画法に規定する許可と同視することはできないから、まちづくり条例(面積が500㎡以上の土地区画形質の変更等を行う場合の届出義務)があることを理由として広大地通達を適用すべきという審査請求人の主張には理由がない。

5 審査請求人は、本件土地付近の宅地開発において、市町村の道路位置指定基準により実際に潰れ地が発生していることからすれば、本件土地においても潰れ地に相当する地積は評価の対象となる地積から減算すべきである旨主張する。しかしながら、評価通達は、財産の価額は、課税時期における財産の現況に応じて評価する旨定めており、現実の土地の利用状況に即して土地の価額を評価しようとするものであるといえるところ、審査請求人の主張は、実際に本件土地を開発していない場合においてまで、宅地開発を行えば、市町村の道路位置指定基準により潰れ地が発生するという、いわば仮定の状況を前提に評価すべきであるとの主張であり、現実の土地の利用状況に即して評価しようとする評価通達の趣旨に反するものである。したがって、請求人の主張を採用することはできない。

≪本文≫

1 事  実

(1) 事案の概要
本件は、審査請求人(以下「請求人」という。)が、相続により取得した土地について、財産評価基本通達(昭和39年4月25日付直資56ほか国税庁長官通達。以下「評価通達」という。)に定める広大地に該当するとして相続税の申告をしたところ、原処分庁が、当該土地は広大地に該当しないなどとして更正処分及び過少申告加算税の賦課決定処分をしたため、請求人が、原処分庁の判断は誤りであるとして、当該各処分の一部の取消しを求めた事案である。

(2) 審査請求に至る経緯
審査請求(平成24年11月30日請求)に至る経緯は、別表のとおりである(以下、減額更正処分後の更正処分を「本件更正処分」といい、変更決定処分後の賦課決定処分を「本件賦課決定処分」という。)。

(3) 関係法令等
関係法令等の要旨は、別紙1のとおりである。

(4) 基礎事実
以下の事実は、請求人及び原処分庁の間に争いがなく、当審判所の調査の結果によっても認められる事実及び証拠によって容易に認められる事実である。

イ 相続の開始等
請求人は、bkBlockbkBlockbkBlockbkBlockbkBlockbkBlockbkBlockbkBlock(以下「本件相続開始日」という。)に死亡し たbkBlockbkBlockbkBlock(以下「本件被相続人」という。)の長男であり、本件被相続人に係 る相続(以下「本件相続」という。)の共同相続人5名のうちの1名である。なお、請求人以外の共同相続人4名は、本件被相続人の配偶者であるbkBlockbkBlockbkBlockbkBlock、長女であるbkBlockbkBlockbkBlockbkBlock、二女であるbkBlockbkBlockbkBlockbkBlock及び本件被相続人の養子であり 請求人の長男であるbkBlockbkBlockbkBlockbkBlockである(以下、共同相続人5名を「相続人ら」と いう。)。

ロ 土地の相続
相続人らは、本件相続に係る遺産のうち、bkBlockbkBlockbkBlockbkBlockbkBlockbkBlockbkBlockbkBlockbkBlockbkBlockbkBlockbkBlockbkBlockbkBlock( 362㎡)及びbkBlockbkBlockbkBlock(234㎡)の各土地(以下、これらの土地を併せて「 本件土地」という。)に係る遺産分割協議を成立させ、本件土地につき、請求 人が取得することとし、bkBlockbkBlockbkBlockbkBlockbkBlockbkBlockbkBlockbkBlock、その旨の所有権移転登記手続を行 った。

ハ 本件相続開始日における本件土地の状況
(イ) 面積及び所在
本件土地は、面積合計596㎡で、別紙2のとおり、bkBlockbkBlockbkBlockbkBlockbkBlockbkBlockbkBlockbkBlockbkBlockからbkBlockbkBlockbkBlockbkBlockbkBlockbkBlock沿いに約500m西進した付近に所在している。
(ロ) 利用状況
本件相続開始日において、本件土地は、一団の畑として一体で利用されていた。
(ハ) 本件土地の評価通達に定める区分等
本件相続開始日において、本件土地の評価通達における区分は農地であり、さらに、農地のうち、市街地周辺農地に分類されていた。
(ニ) 本件土地及びその周辺の都市計画法上の用途指定等
本件相続開始日において、本件土地及びその周辺は、都市計画法第5条に規定する都市計画区域に指定されていたが、同法第7条《区域区分》に規定する市街化区域と市街化調整区域の区域区分の定めはなされておらず、また、bkBlockbkBlockbkBlockbkBlockbkBlockbkBlockに沿って同法第8条《地域地区》第1項第1号に規定する準工業地域に指定されていた。

2 争点
(1) 争点1 本件土地は、広大地通達に定める「その地域における標準的な宅地の地積に比して著しく地積が広大な宅地」に該当するか否か。

(2) 争点2 仮に、本件土地に広大地通達の適用がない場合において、潰れ地を加味して本件土地を評価すべきであるか否か。

3 主張
当事者の主張は、別紙3のとおりである。

4 判断
(1) 争点1(本件土地は、広大地通達に定める「その地域における標準的な宅地の地積に比して著しく地積が広大な宅地」に該当するか否か。)について

イ 法令等解釈
(イ) 相続財産の評価
相続税法第22条は、別紙1の1のとおり、相続財産の価額は、特別の定めのあるものを除き、当該財産の取得時における時価によるべき旨規定しているが、ここでいう時価とは、相続開始時における当該財産の客観的な交換価値をいうものと解される。 もっとも、客観的な交換価値は、必ずしも一義的に確定されるものではないから、課税実務上は、相続財産評価の一般的基準が評価通達によって定められ、そこに定められた画一的な評価方式によって相続財産を評価することとされている。 これは、相続財産の客観的な交換価値を個別に評価する方法を採ると、その評価方式、基礎資料の選択の仕方等により異なった評価額が生じることが避け難く、また、回帰的かつ大量に発生する課税事務の迅速な処理が困難となるおそれがあること等から、あらかじめ定められた評価方式によりこれを画一的に評価する方が、納税者間の公平、納税者の便宜、徴税費用の節減という見地からみて合理的であるという理由に基づくものと解される。 そうすると、相続財産の評価は、評価通達に定められた方式によらないことが正当として是認されるような特別の事情がある場合を除き、課税の公平の観点から、原則として、評価通達の評価方式に基づいて行うことが相当である。

(ロ) 広大地通達の趣旨
広大地通達は、別紙1の2の(2)のとおり、その地域における標準的な宅地の地積に比して著しく地積が広大な宅地で、都市計画法に規定する開発行為を行うとした場合に公共公益的施設用地の負担が必要と認められる宅地については、大規模工場用地又は中高層の集合住宅等の敷地用地に適している宅地を除き、原則として、一定の補正率を用いて評価する旨定めているところ、その趣旨は、評価の対象となる1画地の宅地の地積が、当該宅地の価額の形成に関して直接影響を与えるような特性を持つ当該宅地の属する地域における標準的な宅地の地積に比して著しく広大で、評価の時点において、当該宅地を、当該地域における経済的に最も合理的な宅地の利用を反映すると一般に見られる当該標準的な宅地の規模を踏まえて類似の利用に供しようとする際に、都市計画法に規定する許可を受けた上で開発行為を行わなければならない場合にあっては、当該開発行為により所要の土地の区画形質の変更を行ったときに、道路、公園等の公共公益的施設用地として相当のいわゆる潰れ地が生ずるのを免れないことがあり、評価通達その他の定めによる減額の補正では十分とはいえないことがあることから、このような宅地の価額の評価に当たっては、潰れ地が生じることを、当該宅地の価額に影響を及ぼすべき客観的な個別事情として、相当な減額の補正を行うことにあると解される。

(ハ) 評価通達40-2の趣旨
評価通達40-2は、別紙1の2の(3)のとおり、市街地周辺農地が宅地であるとした場合において、広大地通達に定める広大地に該当するときは、広大地通達の定めに準じて評価する旨定めているところ、その趣旨は、市街地周辺農地は、市街地に近接する宅地化傾向の強い農地であり、付近の宅地価額の影響を強く受けることから、市街地周辺農地が広大地通達の要件を満たす場合には、宅地に準じて評価することが合理的であるという理由に基づくものと解される。

(ニ) 広大地通達に定める「標準的な宅地の地積に比して著しく地積が広大」であることの判定
広大地通達の定めによれば、広大地に該当するためには「標準的な宅地の地積に比して著しく地積が広大」である必要があるところ、広大地通達の趣旨が上記(ロ)のとおりであることから、「標準的な宅地の地積に比して著しく地積が広大」であるとは、開発行為を行う場合に都市計画法に規定する許可が必要であり、かつ、その土地の面積がその地域における土地の標準的な宅地の地積よりも広大である場合をいうものと解される。

(ホ) 評価通達の相当性
上記(イ)ないし(ニ)の評価通達の取扱いについては、当審判所においても相当であると認められる。

ロ 当てはめ
本件相続に係る財産の評価につき、評価通達の定めによることについては請求人と原処分庁との間に争いはなく、当審判所の調査の結果によっても、評価通達に定められた方式によらないことが正当として是認されるような特別の事情は認められない。また、本件土地は、前記1の(4)のハの(ロ)のとおり、本件相続開始日において、一団の畑として一体で利用されていたものであるから、一つの評価単位として、広大地通達に定める広大地に該当するか否かを判定することとなる。そして、広大地通達に定める「標準的な宅地の地積に比して著しく地積が広大」であるとは、上記イの(ニ)のとおり、開発行為を行う場合に都市計画法に規定する許可が必要であり、かつ、その土地の面積がその地域における土地の標準的な宅地の地積よりも広大である場合をいうものと解されるところ、本件土地は、都市計画法第5条に規定する都市計画区域に指定されていることから、当該区域において開発行為を行う場合には、同法第29条第1項の規定に基づく許可が必要であり、本件土地が所在するbkBlockbkBlockbkBlockは、同法第33条《開発許可の基準》第6項に規定する事務処理市町村に該当するものの、都市計画法施行令第19条第1項ただし書に係る条例を定めていないため、同項本文に基づき、本件土地において開発行為を行う場合、都市計画法の規定に基づく許可を必要とする土地は、3,000㎡以上の土地となる。そうすると、本件土地は、前記1の(4)のハの(イ)のとおり、面積合計596㎡であって、開発行為を行う場合、都市計画法の規定に基づく許可を必要とする3,000㎡以上の土地には当たらないから、本件土地は広大地通達に定める「その地域における標準的な宅地の地積に比して著しく地積が広大な宅地」には該当しない。

ハ 請求人の主張の採否
請求人は、別紙3の1の「請求人」欄のイのとおり、本件土地付近で実際に宅地開発がなされている戸建住宅地における標準的な宅地の地積に比し、本件土地は著しく広大であるから、本件土地はその地域における標準的な宅地の地積に比して著しく広大である旨、また、同欄のロのとおり、本件土地付近の宅地開発において、bkBlockbkBlockbkBlockbkBlockbkBlockbkBlockbkBlockbkBlockbkBlockbkBlockbkBlockに基づく道路の位置指定により、実際に潰れ地が発生していることから、本件土地に係る潰れ地は、公共公益的施設用地と同様に取り扱うべきである旨主張するが、上記ロのとおり、本件土地は、開発行為を行う場合、都市計画法の規定に基づく許可を必要とする3,000㎡以上の土地には当たらないのであるから、本件土地の面積がその地域における標準的な宅地の地積よりも広大であるか否かという点や、公共公益的施設用地の負担の要否など、他の広大地の要件を検討するまでもなく、本件土地は広大地通達における広大地には該当しない。また、請求人は、別紙3の1の「請求人」欄のロのとおり、bkBlockbkBlockbkBlockには、宅地開発の行為を規制する法令等として、まちづくり条例があり、土地区画形質の変更等を行おうとする面積が500㎡以上の場合には届出義務があるとともに、まちづくり条例を無視して宅地開発を進めることは事実上困難であることから広大地通達を適用すべきである旨主張する。しかしながら、広大地通達の趣旨は、上記イの(ロ)のとおり、都市計画法に規定する許可を受けた上で開発行為を行わなければならない場合には、公共公益的施設用地として相当のいわゆる潰れ地が生じ、評価通達その他の定めによる減額の補正では十分とはいえないことがあるから、このような土地の価額の評価に当たっては、潰れ地が生じることを当該土地の価額に影響を及ぼすべき客観的な個別事情として、相当な減額の補正を行うことにあると解されるところ、まちづくり条例は、開発行為を行おうとする際に、市長への届出及び確認を求めるものにすぎず、都市計画法に規定する許可と同視することはできないから、まちづくり条例があることを理由として広大地通達を適用すべきという請求人の主張には理由がない。したがって、請求人の主張はいずれも採用することはできない。

(2) 争点2(仮に、本件土地に広大地通達の適用がない場合において、潰れ地を加味して本件土地を評価すべきであるか否か。)について請求人は、別紙3の2の「請求人」欄のとおり、本件土地付近の宅地開発において、bkBlockbkBlockbkBlockbkBlockbkBlockbkBlockbkBlockbkBlockbkBlockbkBlockbkBlockにより実際に潰れ地が発生していることからすれば、本件土地においても潰れ地に相当する地積は評価の対象となる地積から減算すべきである旨主張する。しかしながら、評価通達は、別紙1の2の(1)の②のとおり、財産の価額は、課税時期における財産の現況に応じて評価する旨定めており、現実の土地の利用状況に即して土地の価額を評価しようとするものであるといえるところ、請求人の主張は、実際に本件土地を開発していない場合においてまで、宅地開発を行えば、bkBlockbkBlockbkBlockbkBlockbkBlockbkBlockbkBlockbkBlockbkBlockbkBlockbkBlockにより潰れ地が発生するという、いわば仮定の状況を前提に評価すべきであるとの主張であり、現実の土地の利用状況に即して評価しようとする評価通達の趣旨に反するものである。したがって、請求人の主張を採用することはできない。

(3) 本件更正処分の適法性
上記(1)及び(2)の各判断に基づき、請求人の納付すべき税額を算出すると、本件更正処分の納付すべき税額と同額であるから、本件更正処分は適法である。

(4) 本件賦課決定処分の適法性
本件更正処分は上記(3)のとおり適法であり、また、本件更正処分により納付すべき税額の計算の基礎となった事実が更正処分前の税額の計算の基礎とされていなかったことについて、国税通則法第65条《過少申告加算税》第4項に規定する正当な理由があるとは認められないから、同条第1項の規定により過少申告加算税の賦課決定をした本件賦課決定処分は適法である。

(5) その他
原処分のその他の部分については、請求人は争わず、当審判所の調査の結果によっても、これを不相当とする理由は認められない。

よって、主文のとおり裁決する。

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