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相続時精算課税~使いたいときに使いたい人へ贈与~

相続税の前払い?

 相続時精算課税とは、被相続人にあたる親と相続人にあたる子・孫の間で、将来相続される財産を先渡しできるようにする制度です。

 贈与される財産のうち、2500万円までが当面は非課税となり、それを越える分には一律20%の贈与税がかかります。
「当面は」非課税と述べたのは、相続が発生した段階で、先渡しされていた財産に相続税がかかるからです。

 要は、相続税の納税を後回しにして、相続財産だけ前借りする制度だといえるでしょう。
「親のお金をアテにしたいが、相続までは待てない。かといって、贈与してもらって高い税を納めるのもちょっと…」
 というケースを解決します。

 現在は、大金を非課税で贈与できる特例があるため、そちらで解決できるケースが少なくありません。しかし「大金が必要なのに、対応する特例がない」というケースには有効ですし、特例の多くが平成31年に施行が終了しますから、それ以降は相続時精算課税が活躍することになるでしょう。

選択すると暦年贈与に戻れない

 相続時精算課税は、暦年課税方式で税を精算する贈与(つまり暦年贈与)に代えて、選択するかたちになっています。
「今後、親である◯◯からの贈与については、暦年課税ではなく、相続時精算課税にします」
 という申告を、税務署に行うわけです。

 一度相続時精算課税を選択したら、暦年課税方式には戻せません。ただしこれは、「すべての人からの暦年贈与を受けられなくなる」という意味ではありません。

 相続時精算課税は、親と子(孫)の一対一の関係において、贈与の納税方式を選ぶ制度です。その親からの贈与だけを別枠にして税を処理するかたちをとりますから、他の人からの贈与は暦年課税方式で処理できますし、110万円の基礎控除も使えます。

 また、父からの贈与は相続時精算課税を選び、母からのものは暦年贈与のままにしておくといったこともできますし、両親どちらに対しても相続時精算課税を選択して、2500万円の非課税枠を2つ持つことも可能です。

 ただし先ほども述べたとおり、最終的には、前借りした財産すべてに相続税がかかります。

 このため、節税効果は原則ありません。しかし使い方によっては、大きなメリットをもたらす制度です。

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