未分割財産の中に特例対象宅地等が含まれている場合の小規模宅地等の特例の適用

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未分割財産の中に特例対象宅地等が含まれている場合の小規模宅地等の特例の適用

質問の前提

・相続人は子A、子Bの合計2名です

・被相続人は生前に遺言書を作成しており、同居していたAに自宅の土地(以下土地A)建物を相続させる旨を記載していました。

・自宅の他に貸家の敷地となっている土地(以下土地B)を有していますが、遺言書から記載が漏れていました。

・貸家土地Bについては、相続税の申告期限までに分割が完了することは難しく、また小規模宅地等の特例を適用することについて同意をもらうことも困難な状況です。

・土地A、土地Bともに小規模宅地等の特例の適用要件を満たしております。

質問

小規模宅地等の特例を適用することにつき相続人全員の同意が得られない場合でも、遺言により分割が確定している自宅の土地Aについては、小規模宅地等の特例の適用は可能でしょうか。

回答

小規模宅地等の特例を適用するためには特例対象宅地等を取得したすべての者の同意を得る必要があり、今回のケースでは未分割である土地Bについて共有で取得している子Bの同意が得られない場合、土地Aについても小規模宅地等の特例を適用することは不可能と考えられます。

解説

まず、小規模宅地等の特例を適用する要件として、相続税の申告期限までに小規模宅地等の特例の適用対象となる土地について遺産分割が決定していることが要件となります。これは、他の財産が未分割の状態でも適用することが可能です。

また、小規模宅地等の特例の適用については、特例対象宅地等を取得したすべての者の同意を得て第11・11の2表の付表1に同意したすべての者の氏名を記載しなければ特例の適用は受けられないとされています。(租税特別措置法施行令第40条の2第5項)

今回のケースでは遺言書により遺産分割が決定している特例対象宅地等(土地A)が存在します。一方で、遺言書から漏れていた特例対象宅地等(土地B)も存在しており、申告期限までに分割が決定しそうにない状況です。

 この場合、未分割となっている貸家土地Bについては、法定相続分による共有状態で相続人A、Bが取得している状態になっていると解されます。

 つまり、相続人Bも特例対象宅地等を取得した者ということになり、特例の適用が可能な貸家土地の権利を持つ相続人Bの同意が得られない以上、自宅土地Aについても小規模宅地等の特例が適用できないことになります。

 なお、当初申告において3年以内分割見込書を提出し、貸家土地Bについて分割を決定し更正の請求を行った場合でも、当初申告において自宅土地Aについて小規模宅地等の特例を適用していない場合には、自宅土地Aに特例の適用余地はないことになります。これは、遺言により分割が決定していた土地Aについて、当初申告の段階で小規模宅地等の特例を適用しない、という選択をしたとみなされるためです。

○平成26年8月8日裁決(一部抜粋)

 本件特例の適用対象となる特例対象宅地等のうちいずれを選択特例対象宅地等とするかは、相続人等の自由な選択に委ねられているところ、本件特例の適用を受けるためには、特例対象宅地等のうち本件特例の適用を受けるものの選択について、当該特例対象宅地等を取得した全ての個人からの当該選択についての同意を証する書類の提出が必要とされている。

これは、相続税が、被相続人から相続又は遺贈により財産を取得した全ての者に係る相続税の総額(同一の被相続人の全ての相続人等に係る相続税の課税価格に相当する金額の合計額から相続税法第16条《相続税の総額》の規定により計算した金額)を計算し、当該総額を基礎としてそれぞれ相続人等に係る相続税額として計算した金額により、課する(同法第11条《相続税の課税》)ものとされ、相続税の課税価格の確定のためには、同一の被相続人に係る全ての相続人等の課税価格が全ての相続人等との関係で同額で確定されなければならないこととあいまって、同一の被相続人に係る相続人等が特例対象宅地等のうち、それぞれ異なる部分を選択して本件特例の適用を受けようとして相続税の課税価格が確定できない結果となることのないよう、同一の被相続人から相続又は遺贈により特例対象宅地等を取得した者がある場合において、当該取得をした全ての者の当該選択についての同意を証する書類を相続税の申告書に添付して提出する旨規定したものと解される。

加えて、特例対象宅地等が複数あり、当該特例対象宅地等のうち相続税の申告期限までに分割された特例対象宅地等と分割されていない特例対象宅地等がある場合において、当該分割された特例対象宅地等を選択特例対象宅地等とするためには、当該分割されていない特例対象宅地等についても、一定の要件の下、分割が確定することにより本件特例の適用が可能となるのであるから上記で述べた同意(特例対象宅地等を取得した全ての個人からの本件特例の適用を受ける宅地等の選択についての同意)を得る必要のある特例対象宅地等を取得した全ての者には、相続税の申告期限までに分割された特例対象宅地等を取得した者のみならず、分割されていない特例対象宅地等(未分割である特例対象宅地等)が、その後分割され、本件特例を適用する可能性のある者、すなわち、未分割である特例対象宅地等を共有で取得(民法第898条《共同相続の効力》)している者(共同相続人又は包括受遺者)も含まれると解される。

なお、措置法は、本来課されるべき税額を政策的な見地から特に軽減するものであるから、租税負担公平の原則に照らし、その解釈は厳格にされるべきものであり、措置法に規定する文言を離れて、みだりに実質的妥当性や個別事情を考慮して、拡張解釈ないし類推解釈をすることは許されないと解される。

 

 

 

 

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