相続税が非課税となる祭具等の範囲

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被相続人から引き継ぐ財産を相続財産と言い、相続財産には相続税が課税されます。
ただし、例外として相続税が課税されない財産があります。
今回は相続税が非課税となる財産のうち祭具等についての詳細をご紹介したいと思います。

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1.祭具等(仏壇、庭内神し、位牌、仏具など)は相続税が非課税

相続とは亡くなった方の財産や財産に関した権利義務を引き継ぐことを言います。

引き継ぐ財産の中には、系譜や祭具、墳墓の所有権なども含まれますが、
これらは先祖代々引き継いでいる財産となり、民法では相続財産とは区別して取り扱われています。
そのため、相続税の課税対象には含まれないこととなります。

これは相続税法第12条第1項の第2号に規定されています。

上記の規定には、
遺体や遺骨を頬無っている設備が設置されている範囲の土地も当然含まれており、
その旨を相続税法基本通達12-1にて墓所・霊びょうの範囲を明らかにしています。

2.相続税が非課税となる祭具などの具体例

相続税が非課税となる祭祀財産は主に以下のような物が該当します。

相続税の対象とならない祭具等の範囲について、
相続税法基本通達12-2では以下のような解釈を記載しています。

上記、相続税法基本通達の解釈は、『これらに準ずるもの』が何を示しているかを定めています。

このように祭具等は日常礼拝のために所有しているものに限られ、趣味や観賞用、商品、骨董品等に関してはこの範囲に含まれないとしています。

また、庭内神し(屋敷の敷地内に杜や祠を祀っている)の場合、
その敷地が『これらに準ずるもの』に該当するかどうかという問題があります。

これについては、平成24年東京地裁によって、
「当該設備(庭内神し)社会通念上一体の物として日常礼拝の対象とされているといってよい程度に密接不可分の関係にある相当範囲となる敷地や附属設備も当該設備(庭内神し)と一体のものとして『これらに準ずるもの』の含まれると解すべきである。」(東京地裁 平成24.6.21判決、税務訴訟資料262号)
と判決が下されました。

この判例のように、庭内神しとその敷地に関して別物であり、
庭内神しの移設の可能性を考えると、敷地は『これらに準ずるもの』に含まれないが一般的な判断となりますが、

「墓所、霊びょう」の場合にはその設備設置されている範囲の土地も含まれるという解釈があることから、庭内神しも敷地や付属設備については『これらの準ずるもの』に含むことになります。

3.相続税の非課税財産その他

上記でご説明した、祭具等以外にも相続税の非課税となる財産があります。
非課税財産は財産の性質上、
社会的見地や国民感情的に不適当と思われるものとなります。

・宗教、慈善、学術等公益を目的とする事業に使用される財産
・地方公公共団体から給付される心身障害者共済制度の給付金の権利
・一定額までの死亡保険金及び死亡退職金
・幼稚園事業に使用された財産
・相続等によって取得した財産で国や地方団体など特定の法人に寄付した財産

まとめ

お墓や仏壇など代々受け継がれている祭祀財産は相続財産とは別の扱いとなります。
相続税の非課税財産は原則として、
社会的見地や国民感情から相続財産として相続税を課税することが不適当であると判断されるものが対象となります。

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