農地を路線価評価と倍率評価に分けて取得する場合の相続税評価

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農地を路線価評価と倍率評価に分けて取得する場合の相続税評価

市街化区域内にある農地(田)2筆500㎡は、路線価地域と倍率地域の境界にありました。農地甲を長男A、農地乙を二男Bが相続した場合の評価方法はどうなりますか。

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1. 農地を路線価評価と倍率評価に分けて取得する場合の評価方法の概要

農地の評価は、1枚の農地ごとに評価します。ただし、市街地農地、市街地周辺農地、生産緑地については、それぞれの利用単位となる一団の農地を一つの評価単位とします(評基通7-2)。
したがって、農地甲と農地乙を長男Aが単独で取得した場合は、路線価が付された道路に接しているとして、2筆を一体で宅地比準方式により評価します。

しかし、農地甲を長男A、農地乙を次男Bがそれぞれ取得した場合には、農地甲と農地乙はそれぞれ取得者ごとに評価することとなり、農地甲は宅地比準方式で、農地乙は倍率方式で計算することになります。

2. 農地を路線価評価と倍率評価に分けて取得する場合の評価にあたっての留意点

2-1. 路線価地域に所在する農地

農地が路線価地域に所在すれば、倍率表における農地の倍率等の欄には「比準」と記載され、宅地比準方式で計算することになります。
この場合において、路線価地域かどうかの判断は、評価対象地が路線価の付されている道路に接しているかどうかで判断します。

路線価の付されている道路に接していれば当然ながら路線価を基に宅地造成費を控除して評価し、接していなければ路線価地域以外の分類となり、本設例のように倍率方式で評価計算することもあり得ます。

2-2. 路線価がついた道路がまばらに存在するような地域

2-1.のように、路線価がまばらに設定されているような地域では、所在する場所によっては宅地を倍率で評価する地域が存在します。そのような地域内では、宅地であっても路線価が付された道路に面していなければ、倍率方式で評価する可能性があります。

都市部から離れた郊外で、路線価がついた道路がまばらに存在するような地域では、宅地は必ず路線価方式で評価するとは限りませんので、路線価図と倍率表の内容をともに確認しましょう。

3.説例の評価計算

以下、各種調整率と宅地造成費は省略しています。

A.農地甲
100千円×300㎡=30,000千円
B.農地乙
倍率評価となり、500千円×12倍=6,000千円
合計額
A.+ B.=36,000千円

【参考】農地甲と農地乙を一体で評価した場合
100千円×500㎡=50,000千円(宅地造成費考慮前)

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