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平成30年度税制改正大綱(資産税関連)

平成30年度税制改正大綱(資産税関連)の解説

平成29年12月14日に、自由民主党及び公明党から平成30年度の税制改正大綱が公表されました。
本稿では、特に資産税関連の項目について解説します。

なお、正式な税制改正は平成30年の春頃に確定しますので、現段階では、法律・政省令によって具体化されていませんが、下記の方向性については変更がないものと考えられます。

1. 事業承継税制の特例の創設【有利改正

概要

納税猶予の対象となる非上場株式の割合が拡充されるとともに、対象税額の全額が猶予されるように拡充されます。

内容

  • ・現行では、後継者が取得した非上場株式が、発行済株式数の3分の2に達するまでが猶予の対象であったのに対して、改正後は、後継者が取得した非上場株式の全てが猶予の対象になります。
  • ・猶予される税額は、対象となる非上場株式に係る税額の80%から100%になります(上記と併せると、猶予税額は、対象税額の53.3%から100%になります)。
  • ・後継者は1名に限られず、議決権の10%以上を保有する3名までに拡充されます。
  • ・売上高の減少等の場合に、一定の猶予税額が免除されることになります。

適用時期

平成30年1月1日から平成39年12月31日までの間に贈与又は相続若しくは遺贈等により取得する財産に係る贈与税又は相続税について適用されます。

2. 一般社団法人等に対する相続税の課税の適正化【不利改正

概要

一般社団法人に資本持分がないことを利用した租税回避スキームに対する手当てがされます。

内容

相続開始直前の同族役員数が総役員数の50%超であること等に該当する一般社団法人等の理事が死亡した場合には、その一般社団法人等が、純資産額を同族役員数で除した金額を、被相続人から遺贈により取得したものとして相続税の納税義務が生ずることになります。

適用時期

平成30年4月1日以後の一般社団法人等の役員の死亡に係る相続税について適用されます。

3. 美術品に係る相続税の納税猶予制度の創設【有利改正

概要

美術館に寄託していた美術品に係る相続税の納税が猶予されます。

内容

生前に、被相続人が、文化庁長官の認定を受けて、美術品を美術館に寄託していた場合、相続人が寄託を継続した場合には、担保の提供を条件に、その美術品に係る課税価格の80%に相当する相続税の納税が猶予されます。

適用時期

大綱には明記されていませんが、文化財保護法の改正に併せて適用されることが考えられます。

4. 農地等に係る相続税・贈与税の納税猶予制度の拡充【有利(ケースによっては不利)改正】

概要

生産緑地法の改正等を受けて、納税猶予の特例について手当てがされます。

内容

  • ・都市農地賃借円滑化法(仮称)等に基づく一定の貸付けがなされた生産緑地が納税猶予の対象になります。
  • ・三大都市圏の特定市以外の地域の生産緑地について、営農継続要件を、現行の20年から終身になります。
  • ・猶予の対象となる農地に、特定生産緑地である農地等が含まれます。
  • 適用時期

    都市農地賃借円滑化法の施行後に相続又は遺贈により取得する農地等に係る相続税について適用されます。

    5. 小規模宅地等の特例の相続税の課税の適正化【不利(ケースによっては有利)改正】

    概要

    「家なき子特例」と「貸付事業用宅地等」の要件が厳格化されます。

    内容

    • ・相続開始前3年以内に3親等の親族等が所有する家屋に居住したことがある者、相続開始時において居住の用に供していた家屋を過去に所有していたことがある者が、「家なき子」の特定居住用宅地等の対象者から除外されます。
    • ・相続開始前3年以内に貸付事業の用に供された宅地等が、貸付事業用宅地等の対象から除外されます(事業的規模である場合は除外されません)。
    • ・介護医療院に入所したことにより被相続人の居住の用に供されなくなった家屋の敷地の用に供されていた宅地等が、特定居住用宅地等の対象になります。
    • 適用時期

      平成30年4月1日以後に相続又は遺贈により取得する財産に係る相続税について適用されます。なお、貸付事業用宅地等の改正については、同日前から貸付事業の用に供されている宅地等については適用されません。

      6. 相続税・贈与税の納税義務者の範囲の改正【有利改正の可能性】

      概要

      納税義務者の範囲について、現行の「5年以内の国内の住所の有無」以外の住所期間の判断基準が加えられることになります。

      内容

      国外に住所を有する日本国籍を有しない者が、国外財産を、「国内に住所を有しないこととなった時前15年以内に、国内に住所を有していた期間の合計が10年を超える被相続人又は贈与者」から相続若しくは遺贈又は贈与された場合には、相続税又は贈与税が課さないことになります。この結果、現行(平成29年改正)の非居住無制限納税義務者・非居住制限納税義務者の範囲に変更(若しくは、新たな納税義務者区分)が生ずる可能性があります。

      適用時期

      平成30年4月1日以後に相続若しくは遺贈又は贈与により取得する財産に係る相続税又は贈与税について適用されます。

      7. 生産緑地法の改正による固定資産税・都市計画税の激変緩和措置【現状維持若しくは不利改正】

      概要

      生産緑地法の改正によって生ずる固定資産税等の増税影響について手当てがされます。

      内容

      • ・特定生産緑地の指定がされたものは、従来の固定資産税等と同様の措置が講じられます。
      • ・特定生産緑地の指定がされなかったものは、宅地並み評価とした上で、激変緩和措置が講じられます。
      • 適用時期

        大綱には明記されていませんが、特定生産緑地が大量に発生する平成34年頃までには適用されることが考えられます。

        ※ 本稿は、平成30年度税制改正大綱を解説したものです。税制改正大綱の表現によっても、取扱いが判然としない箇所があるとともに、実際に税制改正が施行されていない段階の記述であることをご留意願います。

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