生産緑地に関わる「主たる従事者」とは

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生産緑地に関わる「主たる従事者」とは

生産緑地を相続した場合の評価は、誰が「主たる従事者」となっているかによっても異なります。「主たる従事者」とはどのような人をさすのか、また、生産緑地の相続税評価の計算方法とそのポイントを順番にご紹介しましょう。

1.生産緑地に関わる「主たる従事者」とは

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生産緑地とは、都市計画の中で定められた地区で、農地などとして管理する必要のある農地のことです。つまり、生産緑地に関わる「主たる従事者」とは、生産緑地地区に指定された農地にて、メインで農業に携わっている人のことを指します。

「主たる従事者」は、世帯主でなくても構いませんし、農業とほかの仕事を兼業していても問題ありません。しかし、一定の条件が定められています。

「主たる従事者」として認められるためには、農地基本台帳に登載されていなければなりません。農地基本台帳とは、農家番号や住所、氏名(経営者名・世帯責任者名、世帯主名のいずれか)が記載された資料です。これらの記載事項は農林水産省経済局長によって定められているため、農地基本台帳は全国で作られています。農地基本台帳に名前の記載があり、かつ、農業の中心的な担い手であるか、経営者であることが「主たる従事者」として認められる条件です。

なお、「主たる従事者」は、経営者ではなく雇用者でも問題ありません。ただし、その雇用者が怪我などで農業に従事できなくなった場合、知識や経験などの不足により経営が成り立たなくなるほど重要性の高い雇用者である必要があります。また、年齢によっても条件は異なるため、注意しましょう。具体的には、65歳未満であれば8割以上農業に従事、65歳以上であれば7割以上農業に従事していることが条件です。なお、「主たる従事者」として認められるかどうかは、各自治体の市長により判断されます。

ただ、一般的にはその生産緑地の所有者=主たる従事者となっているケースが大半です。

2.「主たる従事者」が被相続人であれば買取りの申出が可能な生産緑地に

生産緑地の評価を行うための計算式は「相続する生産緑地が生産緑地ではないものとしての土地の評価×(1―減額割合)」です。

計算式中に記載されている減額の割合は、買取りの申出ができるか、できない場合は可能となるまでにどのくらいの期間があるのかで異なります。生産緑地地区に指定された生産緑地は、通常自由に建築物を新築したり、宅地造成などを行ったりすることはできません。市区町村長の許可が必要です。

しかし、生産緑地地区として告示された日より30年を経過しているか、告示を受けたあとに主たる従事者が死亡している場合には、買取りの申出が可能となっています。

買取りの申出ができる生産緑地の場合、もしくは、相続や贈与が発生した時点で買取りの申出が行われていた生産緑地の場合、減額の割合は95%です。

一方、買取りの申出ができない生産緑地の場合、5年以下なら90%、10年以下なら85%…と期間によって減額の割合が異なってきます。しかし、「主たる従事者」が被相続人であれば、買取りの申出ができるまでの期間は関係ありません。なぜなら、買取りの申出ができる生産緑地となるためです。


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