基準年利率はもともと一定の数値(3%)でしたが、基準年利率を一律として定めるより、期間の長さを考慮して定める事が適切との判断から、平成16年6月4日の改正により変動金利に変わりました。
基準年利率とは
基準年利率は定期借地権や著作権などといった市場性が無い財産を評価する場合に使用される利率です。
著作権の場合だと印税収入があり、その合計も著作権評価になるわけですが、二年や三年後の収入については金融機関にお金をあずけた場合の利益が発生すると考え、その分だけ割り引くことになります。この割引率が基準年利率になります。
利付国債にかかる複利利回りを元に計算した年利率による、とはどういうことかと言うと課税時期の金利情勢を適切に基準年利率に反映するために国債の複利利回り、つまり最初に国債に投資した購入金額に対して一年当たり何パーセントの利益を生み出すかを計算したもの(=利回り)をもとに基準年利率を算出するということです。
そして基準年利率は三年未満の「短期」、三年以上七年未満の「中期」、七年以上の「長期」に区分され、それぞれごとに算出されます。
この基準年利率は理想的には毎日更新されるべきものですが、手間と簡便性のため現在は月ごとに設定されています。
平成25年六月の時点での基準年利率は三年未満の短期が0.1パーセント、中期が0.25パーセント、長期が1.0パーセントとなっており、確かに市場金利と連動していることがうかがえます。
「財産評価基本通達4-4」(基準年利率)
第2章以下に定める財産の評価において適用する年利率は、別に定めるものを除き、年数又は期間に応じ、日本証券業協会において売買参考統計値が公表される利付国債に係る複利利回りを基に計算した年利率(以下「基準年利率」という。)によることとし、その基準年利率は、短期(3年未満)、中期(3年以上7年未満)及び長期(7年以上)に区分し、各月ごとに別に定める。(平11課評2-12外追加、平13課評2-6・平14課評2-2外・平16課評2-7外改正)