区画された長方形の土地を整形地と呼び、長方形以外、例えば三角形や台形やその他の多角形や凹み部分がある土地を不整形地と呼びます。
区画された土地でも厳密な長方形でない場合がありますが、その場合は「財産評価総則基本通達第2章20」(不整形地の評価)に記載される「奥行価格補正率表(昭45直資3-13・平3課評2-4外・平18課評2-27外改正)」にて陰地割合が10%以上の場合に、税法上の不整形地とします。
この陰地割合とは、「不整形地が整形地に対してどれだけ不整形であるか」を測量の図面上から数値として算出したものです。
税法上で不整形地を評価する場合、次に述べるような方法を採用します。
~目次~
不整形地の評価方法1:整形地に区分する方法
不整形地をいくつかの整形地に区分できる場合、区分した整形地の評価を行いその合計価額を全体の不整形地の価額とします。
不整形地の評価方法2:想定奥行き距離で算出する方法
図面上で不整形地を囲む整形地を仮想して、その面積を間口距離で割って想定奥行き距離を算出して、その想定奥行き距離から不整形地面積を算出して価額を評価します。
この方法は、不整形地の形状が不規則な多角形の場合に有効です。
不整形地の評価方法3:近似整形地で算出する方法
図面上で不整形地に近似する整形地を仮想して、その整形地面積から元の不整形地面積を算出して価額を評価します。この際に、近似する整形地からはみ出す不整形地と、近似する整形地に含まれる不整形地以外の土地の面積をほぼ同一にして、不整形地と近似する整形地との面積に大きな差が生じないようにします。
この方法は不整形地が隣接地の境と、ジクザグに入組んでいる場合に有効です。
不整形地の評価方法4:不整形地に含まれない整形地の価額を差引く方法
隣接する整形地を含めると該当する不整形地が整形地の形状となる場合、まず隣接した整形地を含めて該当の不整形地をみなし整形地として土地の面積を算出し価額を評価します。次に隣接した整形地の面積から価額を評価して、最初に算出したみなし整形地から隣接整形地の価額を差し引いて、その価額を不整形地の評価価額とします。
この方法は特に不整形地がL字型やコの字形の際に有効です。
不整形地補正率表(平11課評2-12外追加・平18課評2-27外改正)
※本表は平成19年分以降用です。
地区区分 高度商業地区、繁華街地区、普通商業・併用住宅地区、中小工場地区 普通住宅地区 地積区分 A B C A B C かげ地割合 10%以上 0.99 0.99 1.00 0.98 0.99 0.99 15% 〃 0.98 0.99 0.99 0.96 0.98 0.99 20% 〃 0.97 0.98 0.99 0.94 0.97 0.98 25% 〃 0.96 0.98 0.99 0.92 0.95 0.97 30% 〃 0.94 0.97 0.98 0.90 0.93 0.96 35% 〃 0.92 0.95 0.98 0.88 0.91 0.94 40% 〃 0.90 0.93 0.97 0.85 0.88 0.92 45% 〃 0.87 0.91 0.95 0.82 0.85 0.90 50% 〃 0.84 0.89 0.93 0.79 0.82 0.87 55% 〃 0.80 0.87 0.90 0.75 0.78 0.83 60% 〃 0.76 0.84 0.86 0.70 0.73 0.78 65% 〃 0.70 0.75 0.80 0.60 0.65 0.70 (注)
1 不整形地の地区区分に応ずる地積区分は、付表4「地積区分表」による。
2 かげ地割合は次の算式により計算した割合による。
3 間口狭小補正率の適用がある場合においては、この表により求めた不整形地補正率に間口狭小補正率を乗じて得た数値を不整形地補正率とする。ただし、その最小値はこの表に定める不整形地補正率の最小値(0.60)とする。
また、奥行長大補正率の適用がある場合においては、選択により、不整形地補正率を適用せず、間口狭小補正率に奥行長大補正率を乗じて得た数値によって差し支えない。
4 大工場地区にある不整形地については、原則として不整形地補正を行わないが、地積がおおむね9,000平方メートル程度までのものについては、付表4「地積区分表」及びこの表に掲げる中小工場地区の区分により不整形地としての補正を行って差し支えない。