ゴルフ場の用に供されている土地の相続税評価

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ゴルフ場の用に供されている土地とは、文字通り「ゴルフ場に使用される土地」のことを指します。ゴルフ場に使用される土地(ゴルフ場用地)がなぜ他のスポーツ施設の用地とは別に、ひとつの項目として評価通達に挙げられているかといえば、一般的にゴルフ場は開発の際に「国の法律」及び「地方自治体の条例」など数多くの法律の規定をクリアする必要があり、またそのゴルフ場用地自体の面積も他のスポーツ用施設と比較して極端に膨大であることから、不動産の価値を考える上では他のスポーツとは切り離して考える必要があり、税制上では他のスポーツのために使用される土地とは別に「ゴルフ場の用に供される土地」という項目が存在します。

ゴルフ場の用に供されている土地の評価

税制上でゴルフ場の用に供されている土地の評価は、そのゴルフ場用地が「都市計画法で定められた市街化区域か、もしくはそれに近接した土地」に存在するかどうかによって異なります。
(1)市街化区域もしくはそれに近接した土地の場合の評価
税制上で市街化区域かそれに近接したゴルフ場用地を評価する場合、まずそのゴルフ場用地を宅地であると仮定した場合の1平方メートルあたりの価額を、宅地の評価方法に基づいて算出します。その1平方メートルあたりの価額にゴルフ場用地の面積を掛け算して、ゴルフ場用地であるということから更に60%を掛け算して、「ゴルフ場用地の資産としての金額」を算出します。次にそのゴルフ場用地を宅地として造成すると仮定した場合の1平方メートル当たりの造成費を決定し、その造成費にゴルフ場用地の面積を掛け算して「ゴルフ場用地の宅地への造成費用」を算出します。こうして求めた「ゴルフ場用地の資産としての金額」から、「ゴルフ場用地の宅地への造成費用」を控除した残額が、税制上での市街地区域及びそれに近接する地域にあるゴルフ場のために供されている土地の評価価額となります。
なお、「ゴルフ場用地を宅地に造成すると仮定した場合の1平方メートル当たりの造成費」は国税局長が定めるもので、また「ゴルフ場用地が宅地である場合の1平方メートルあたりの価額」は、宅地と同様に「路線価方式」もしくは「倍率方式」によって求められます。
(2)「市街化区域もしくはそれに近接した土地」以外の場合の評価
税制上で「市街化区域かそれに近接した土地」以外に存在するゴルフ場用地を評価する場合は、一律に倍率方式によって評価します。

【財産評価総則基本通達第2章83】(ゴルフ場の用に供されている土地の評価)
ゴルフ場の用に供されている土地(以下「ゴルフ場用地」という。)の評価は、次に掲げる区分に従い、それぞれ次に掲げるところによる。(平3課評2-4外・平11課評2-2外・平16課評2-7外改正)
(1) 市街化区域及びそれに近接する地域にあるゴルフ場用地の価額は、そのゴルフ場用地が宅地であるとした場合の1平方メートル当たりの価額にそのゴルフ場用地の地積を乗じて計算した金額の100分の60に相当する金額から、そのゴルフ場用地を宅地に造成する場合において通常必要と認められる1平方メートル当たりの造成費に相当する金額として国税局長の定める金額にそのゴルフ場用地の地積を乗じて計算した金額を控除した価額によって評価する。
(注) そのゴルフ場用地が宅地であるとした場合の1平方メートル当たりの価額は、そのゴルフ場用地が路線価地域にある場合には、そのゴルフ場用地の周囲に付されている路線価をそのゴルフ場用地に接する距離によって加重平均した金額によることができるものとし、倍率地域にある場合には、そのゴルフ場用地の1平方メートル当たりの固定資産税評価額(固定資産税評価額を土地課税台帳又は土地補充課税台帳に登録された地積で除して求めた額)にゴルフ場用地ごとに不動産鑑定士等による鑑定評価額、精通者意見価格等を基として国税局長の定める倍率を乗じて計算した金額によることができるものとする。
(2) (1)以外の地域にあるゴルフ場用地の価額は、そのゴルフ場用地の固定資産税評価額に、一定の地域ごとに不動産鑑定士等による鑑定評価額、精通者意見価格等を基として国税局長の定める倍率を乗じて計算した金額によって評価する。


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