税制上で構築物とは、「地方税法第341条:固定資産税に関する用語の意義・第3号」において定義された「家屋」以外の建造物のことを指します。構築物を評価する際には、まずその構築物の固定資産を決定する必要があります。構築物においては減価償却が認められる旨が規定されており、その構築物の耐用年数、構築物ができてから現在までの年数などを考慮して、後で述べる方式にて「減価償却割合」を算出します。これは、「構築物が構築された際から現在に至るまでの間で、どれだけその構築物の資産的価値が下がったか。」を明確にして、下がった部分の価値を相続発生時等の税制上で優遇するというものです。減価償却費を計算するための指標としては、「所得税法施行令第120条」又は「法人税法施行令第48条」などで実際にどのような減価償却の計算を行うかが明確にされています。
構築物の評価の方式
構築物の評価は、次の方式にて行います。
まず、「価償却資産の耐用年数等に関する大蔵省令」により、その構築物の耐用年数を設定します。次に「所得税法施行令第120条の2第1項第2号ロ」又は「法人税法施行令第48条の2第1項第2号ロ」に規定する定率法を用いて、その構築物の建築の時から課税時期までの期間(1年未満の端数は切り上げで1年とする。)での減価償却の割合を算出します。
その上で、その構築物を再建築したと仮定した建築価額に減価償却の割合を掛け算して減価償却費として、建築価格から控除します。そして控除した残額の70%の金額を、税制上での、構築物の評価価額とします。
【財産評価総則基本通達第4章97】(評価の方式)
構築物の価額は、その構築物の再建築価額から、建築の時から課税時期までの期間(その期間に1年未満の端数があるときは、その端数は1年とする。)の償却費の額の合計額又は減価の額を控除した金額の100分の70に相当する金額によって評価する。この場合における償却方法は、定率法によるものとし、その耐用年数は耐用年数省令に規定する耐用年数による。(昭41直資3-19・平20課評2-5外改正)