気配相場等のある株式の評価の特例

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かつては、取引所に上場する株式以外に、登録銘柄・店頭管理銘柄の株式がありました。現在は登録銘柄・店頭管理銘柄に該当する株式はありませんが、財産評価基本通達には、登録銘柄・店頭管理銘柄の株式に関する規定が残されています。ここでは、登録銘柄・店頭管理銘柄の株式について課税時期のある月以前3か月以内に取引価格がない場合の評価方法について説明します。

1.登録銘柄・店頭管理銘柄の評価

登録銘柄・店頭管理銘柄の価額は次のいずれかの価額のうち、最も低いもので評価します。取引価格は日本証券業協会によって公表されており、高値と安値が公表されている場合はその平均額が取引価格となります。

・ 課税時期(被相続人が亡くなった日または贈与を受けた日)の取引価格
・ 課税時期のある月の毎日の取引価格の平均額
・ 課税時期のある月の前月の毎日の取引価格の平均額
・ 課税時期のある月の前々月の毎日の取引価格の平均額

ただし、負担付贈与や個人間の売買で取得したものについては、課税時期の取引価格によって評価します。

評価の対象となる登録銘柄・店頭管理銘柄の株式に権利落ちや配当落ちがあった場合は、次のように評価します。ただし、課税時期に最も近い日の取引価格は、課税時期のある月以前3か月以内のものとします。

(1) 課税時期が権利落ちや配当落ちの日から権利確定の基準日までの間にある場合
権利落ちや配当落ちの日の前日以前で課税時期に最も近い日の取引価格を課税時期の取引価格とします。

(2) 課税時期が権利確定の基準日の翌日以後で、かつ、課税時期の前日以前の取引価格のうち、課税時期に最も近い日の取引価格がその基準日に係る権利落ちや配当落ちの日の前日以前のものである場合
課税時期に最も近い日の取引価格を財産評価基本通達176(2)で定める算式で修正した価格で評価します。

課税時期に取引価格がない場合は、課税時期の前日以前の取引価格のうち、課税時期に最も近い日の取引価格を課税時期の取引価格とします。ただし、課税時期のある月以前3か月以内のものに限られます。

2.課税時期のある月以前3か月以内に取引価格がない場合

登録銘柄・店頭管理銘柄の株式は、上場株式とは異なり、毎日継続的に取引が行われないものもあります。さらに長期間にわたって取引が行われないと、課税時期のある月以前3か月以内に取引価格がない場合も考えられます。

財産評価基本通達177では、登録銘柄・店頭管理銘柄の株式について、課税時期のある月以前3か月以内に取引価格がない場合の評価方法を定めています。このような場合は、課税時期以前の取引価格等を勘案して個別に評価することとされています。

【財産評価基本通達】(気配相場等のある株式)
(気配相場等のある株式の評価の特例)
177 174≪気配相場等のある株式の評価≫の(1)の定めにより気配相場等のある株式の価額を評価する場合において、その株式が次の(1)又は(2)に該当するものの価額は、課税時期以前の取引価格等を勘案して評価する。(平2直評12外・平18課評2-27外改正)
(1) 課税時期が権利落等の日から株式の割当て等の基準日までの間にあるため、その権利落等の日の前日以前の取引価格のうち課税時期に最も近い日の取引価格によって評価する場合において、その課税時期に最も近い日の取引価格が、課税時期の属する月以前3か月以内にないもの
(2) (1)に該当する場合を除き、課税時期に取引価格がないため、課税時期の前日以前の取引価格のうち、課税時期に最も近い日の取引価格によって評価する場合において、その取引価格が、課税時期の属する月以前3か月以内にないもの

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