取引相場のない株式の評価上の区分

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評価上の区分

取引相場のない株式の評価はその株式を発行する発行会社の、会社の規模によってそれぞれ区分されます。
区分の内容については従業員数(100人以上・未満)とされており、卸業・小売・サービス業 また、総資産評価によって計算した従業員数、直前期末1年間の取引価格(80億以上・20億以上・2億以上・6千万以上など)です。さらに規模区分は、それぞれ大会社・中会社・子会社です。
(規模区分の内容・計算方式)
・総資産価格・・・課税時期の直前に終了した事業年度各資産の帳簿価格の合計額
・従業員数・・・課税時期直前に終了した事業年度において継続して勤務していた従業員で、1年間の労働時間の合計時間数を1人当たりで計算し求めた数(1人当たりは平均1800時間とする)

兼任役員は除外

社長や理事、兼任役員などは含まれませんので注意が必要です。
・取引価格・・・課税時期の直前に終了した事業年度の収入金額
また、業種については事業が該当する業種目の基準で決定されたものによります。2業種以上の複合の場合は取引金額の多い業種によって判定されます。
たとえば、取引価格が20億円以上で従業員が100人以上の小売サービス業の場合は大会社に区分されます。
また、従業員が100人未満で卸売り業・小売サービス業・それ以外の業務内容で、それぞれ7000万円未満で5人以下、4000万円で5人以下、5000万円で5人以下の会社は小会社に区分されます。
また、直前末期の1年間の取引金額がそれぞれ2億未満。6000万円未満、8000万円未満であることも条件の一つに組み入れられています。ですから、卸売り企業で従業員数が6人以上100人以下、なおかつ7000万円の総資産価額であり、直前末期一年間における取引が2億以上80億円未満の会社の区分は中会社となるわけです。

【財産評価基本通達】(取引相場等のない株式)
(取引相場のない株式の評価上の区分)
178 取引相場のない株式の価額は、評価しようとするその株式の発行会社(以下「評価会社」という。)が次の表の大会社、中会社又は小会社のいずれに該当するかに応じて、それぞれ次項の定めによって評価する。ただし、同族株主以外の株主等が取得した株式又は特定の評価会社の株式の価額は、それぞれ188≪同族株主以外の株主等が取得した株式≫又は189≪特定の評価会社の株式≫の定めによって評価する。(昭41直資3-19・昭47直資3-16・昭53直評5外・昭58直評5外・平2直評12外・平6課評2-8外・平10課評2-10外・平11課評2-2外・平12課評2-4外・平18課評2-27外改正)




区分の内容 総資産価額(帳簿価額によって計算した金額)及び従業員数 直前期末以前1年間における取引金額
 


従業員数が100人以上の会社又は右のいずれかに該当する会社 卸売業 20億円以上(従業員数が50人以下の会社を除く。) 80億円以上
小売・サービス業 10億円以上(従業員数が50人以下の会社を除く。) 20億円以上
卸売業、小売・サービス業以外 10億円以上(従業員数が50人以下の会社を除く。) 20億円以上
 


従業員数が100人未満の会社で右のいずれかに該当する会社(大会社に該当する場合を除く。) 卸売業 7,000万円以上(従業員数が5人以下の会社を除く。) 2億円以上80億円未満
小売・サービス業 4,000万円以上(従業員数が5人以下の会社を除く。) 6,000万円以上20億円未満
卸売業、小売・サービス業以外 5,000万円以上(従業員数が5人以下の会社を除く。) 8,000万円以上20億円未満
 


従業員数が100人未満の会社で右のいずれにも該当する会社 卸売業 7,000万円未満又は従業員数が5人以下 2億円未満
小売・サービス業 4,000万円未満又は従業員数が5人以下 6,000万円未満
卸売業、小売・サービス業以外 5,000万円未満又は従業員数が5人以下 8,000万円未満

上の表の「総資産価額(帳簿価額によって計算した金額)及び従業員数」及び「直前期末以前1年間における取引金額」は、それぞれ次の(1)から(3)により、「卸売業」、「小売・サービス業」又は「卸売業、小売・サービス業以外」の判定は(4)による。
(1) 「総資産価額(帳簿価額によって計算した金額)」は、課税時期の直前に終了した事業年度の末日(以下「直前期末」という。)における評価会社の各資産の帳簿価額の合計額とする。
(2) 「従業員数」は、直前期末以前1年間においてその期間継続して評価会社に勤務していた従業員(就業規則等で定められた1週間当たりの労働時間が30時間未満である従業員を除く。以下この項において「継続勤務従業員」という。)の数に、直前期末以前1年間において評価会社に勤務していた従業員(継続勤務従業員を除く。)のその1年間における労働時間の合計時間数を従業員1人当たり年間平均労働時間数で除して求めた数を加算した数とする。
 この場合における従業員1人当たり年間平均労働時間数は、1,800時間とする。
(3) 「直前期末以前1年間における取引金額」は、その期間における評価会社の目的とする事業に係る収入金額(金融業・証券業については収入利息及び収入手数料)とする。
(4) 評価会社が「卸売業」、「小売・サービス業」又は「卸売業、小売・サービス業以外」のいずれの業種に該当するかは、上記(3)の直前期末以前1年間における取引金額(以下この項及び181-2≪評価会社の事業が該当する業種目≫において「取引金額」という。)に基づいて判定し、当該取引金額のうちに2以上の業種に係る取引金額が含まれている場合には、それらの取引金額のうち最も多い取引金額に係る業種によって判定する。
(注) 上記(2)の従業員には、社長、理事長並びに法人税法施行令第71条≪使用人兼務役員とされない役員≫第1項第1号、第2号及び第4号に掲げる役員は含まないのであるから留意する。

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