純資産価額基準の計算
課税時期における1株あたりの純資産価額の評価額は取引相場のない株式の評価の原則によって、1株あたりの純資産価額は課税時期に各資産を評価した価額であり、くわえて、通常取引で相当される評価物件などは該当する帳簿価格相当で評価されます。
課税時期における1株あたりの純資産価額の計算をおこなう場合は(純資産価額=相続税評価額計算によるもの) 貸倒引当金、退職給与引当金、納税引当金および準備金などの引当金等は負債に含められません。
これは評価会社が有する株式等の純資産価額の計算方式算出と同じです。
また、退職給与引当金に関する経過措置の改正法に基づいて、改正事業年度から改正事業年度開始の日以後、10年を経過した日の前日の事業年度では経過措置の項目に違いがあります。
退職給与引当金勘定を有する場合には区分に応じてそれぞれ取り崩す必要があります。
また、取り崩しを行った後の退職給与引当金勘定の金額が末期退職給与の支給に要する金額を上回った場合はその超えた金額も取り崩す必要があります。
負債に含まれる項目
負債に含まれる項目は、課税時期の事業年度の法人税額・消費税額・事業税額・道府県民税および市町村民税額のうちの事業年度開始から課税時期間に対する金額
これは課税時期に対する未払いのものに限ります。
課税時期以前に賦課期日があった固定資産額の課税時期未払い金額
被相続人死亡時、相続人等に支給確定した退職手当金功労金など、またはそれに準ずる給与金額です。
【財産評価基本通達】(純資産価額)
(純資産価額計算上の負債)
186 前項の課税時期における1株当たりの純資産価額(相続税評価額によって計算した金額)の計算を行う場合には、貸倒引当金、退職給与引当金(平成14年改正法人税法附則第8条((退職給与引当金に関する経過措置))第2項及び第3項の適用後の退職給与引当金勘定の金額に相当する金額を除く。)、納税引当金その他の引当金及び準備金に相当する金額は負債に含まれないものとし、次に掲げる金額は負債に含まれることに留意する(次項及び186-3≪評価会社が有する株式等の純資産価額の計算≫において同じ。)。(昭47直資3-16・昭58直評5外・平2直評12外・平11課評2-2外・平12課評2-4外・平18課評2-27外改正
(1) 課税時期の属する事業年度に係る法人税額、消費税額、事業税額、道府県民税額及び市町村民税額のうち、その事業年度開始の日から課税時期までの期間に対応する金額(課税時期において未払いのものに限る。)
(2) 課税時期以前に賦課期日のあった固定資産税の税額のうち、課税時期において未払いの金額
(3) 被相続人の死亡により、相続人その他の者に支給することが確定した退職手当金、功労金その他これらに準ずる給与の金額