契約者貸付金等がある場合の保険金について
生命保険において、確認しておきたい事、注意しておきたい事は、契約者貸付金の制度を設けているかどうかということです。
もし設けていたケースでは、保険会社は契約を解約させない為に一時的ではありますが、解約返戻金の範囲内で資金を貸し付ける制度を設けているのです。
保険金を受け取った際に、みなし財産として、通常課税対象となります。しかし契約者貸付金があるケースでは、受け取る保険金というのは、その契約者貸付金を控除した額となるのです。
そして相続税対象になるかどうか、保険契約者が被相続人であるか、それ以外であるかによって異なってきます。契約者が被相続人のときは、保険金は契約者貸付金などを控除した金額の保険金を取得したものとして、相続税の対象になります。
契約者貸付金が差し引かれる場合
生命保険契約において、契約者貸付金が差し引かれるケースというのがあります。以下の2つの条件に当てはまる場合には注意をしてください。
①被相続人が保険契約者であるケース
保険金受取人というのは、その契約者貸付金等の額を控除した金額に相当する保険金を得たものとし、その控除に係る契約者貸付金等の額に相当する保険金またはその控除に関係する契約者貸付金等の額に当たる債務はいずれもなかったものとします。
②被相続人以外の方が保険契約者であるケース
保険金受取人というのは、その契約者貸付金等の額を控除した金額に当たる保険金を得たものとし、その控除に係る契約者貸付金等の額に相当する部分については保険契約者がその相当する部分の保険金を取得したものとします。
【相続税基本通達】 (保険金等関係)
(契約者貸付金等がある場合の保険金)
3-9 保険契約に基づき保険金が支払われる場合において、当該保険契約の契約者(共済契約者を含む。以下「保険契約者」という。)に対する貸付金若しくは保険料(共済掛金を含む。以下同じ。)の振替貸付けに係る貸付金又は未払込保険料の額(いずれもその元利合計金額とし、以下3-9及び5-7においてこれらの合計金額を「契約者貸付金等の額」という。)があるため、当該保険金の額から当該契約者貸付金等の額が控除されるときの法第3条第1項第1号の規定の適用については、次に掲げる場合の区分に応じ、それぞれ次による。(昭57直資2-177追加)
(1) 被相続人が保険契約者である場合
保険金受取人は、当該契約者貸付金等の額を控除した金額に相当する保険金を取得したものとし、当該控除に係る契約者貸付金等の額に相当する保険金及び当該控除に係る契約者貸付金等の額に相当する債務はいずれもなかったものとする。
(2) 被相続人以外の者が保険契約者である場合
保険金受取人は、当該契約者貸付金等の額を控除した金額に相当する保険金を取得したものとし、当該控除に係る契約者貸付金等の額に相当する部分については、保険契約者が当該相当する部分の保険金を取得したものとする。