損害賠償責任に関する保険又は共済の契約に基づく保険金

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被保険者の死亡した場合に支払われる保険金については、保険金を負担する人(契約者)と保険に加入する人(被保険者)、そして保険金を受け取る人(受取人)の関係によって、以下のように取得した保険金に課せられる税金が違っています。

契約者と被保険者が同じ ……………… 相続税
契約者と受取人が同じ ………………… 所得税
契約者と被保険者、受取人が違う …… 贈与税

ただし、これらの税金が、必ずしも受け取ったすべての保険金に課税されるわけではありません。ここでは、取得した保険金のうち、課税対象とならない保険金について、詳しく解説します。

(1)課税対象となる保険金

被保険者が死亡した場合に支払われる保険金については、保険金を負担する人(契約者)と保険に加入する人(被保険者)、そして保険金を受け取る人(受取人)の関係によって、以下のように取得した保険金に課せられる税金が違っています。

契約者と被保険者が同じ ……………… 相続税
契約者と受取人が同じ ………………… 所得税
契約者と被保険者、受取人が違う …… 贈与税

(2)課税対象とならない保険金

被保険者が死亡した場合に支払われる保険金については、上記のように相続税、所得税、贈与税のうち、いずれかが課税されます(所得税法第34条、所得税基本通達9-20、相続税法第3条第1項第1号、同法第5条第1項)。しかし、あくまでも死亡したことに対して支払われる保険金であることが、相続税法基本通達3-7には記載されています。

そのため、死亡保険金のうち、人身傷害補償などの損害賠償金に当てられる以下のものについては、上記に当てはまらないと解釈されています。

(1)自動車保険搭乗者傷害危険担保特約
(2)分割払自動車保険搭乗者傷害危険担保特約
(3)月掛自動車保険搭乗者傷害危険担保特約
(4)自動車運転者損害賠償責任保険搭乗者傷害危険担保特約
(5)航空保険搭乗者傷害危険担保特約
(6)観覧入場者傷害保険
(7)自動車共済搭乗者傷害危険担保特約

そして、これらに当てはまるものについては、所得税、相続税、贈与税共に、以下の理由で非課税になると解釈されます。

所得税 …… 心身に加えられた損害に対して支払いを受ける慰謝料その他の損害賠償金に該当するので非課税となる(所得税法施行令30条)
相続税 …… 損害賠償金については相続税の対象とは見なされず、非課税となる(相続税法第3条第1項第1号)
贈与税 …… 損害賠償金については贈与税の対象とは見なされず、非課税となる(相続税法基本通達5-1)

【参考】
国税庁 相続税法基本通達(第3条、第5条)
国税庁 人身傷害補償保険金に係る所得税、相続税及び贈与税の取り扱い等について


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