相続財産の所在
相続税の計算をするうえで、相続財産の所在が問題になることがあります。株式や社債などは、その株式を発行している法人または出資のされている法人の本店、または主たる事務所の所在とされています。このとき、株式あるいは出資として扱われる範囲について知っておきましょう。
株式に関する権利
相続税法上で財産の所在を判定する際の「株式」には、株式に関する権利も含まれます。株式に関する権利とは、株式ではないものの、株式会社の配当や増資があるときに発生する権利のことをいいます。
具体的には、株式の割当てを受ける権利、株主となる権利、株式無償交付期待権、配当期待権、ストックオプションなどがそれに当たります。
出資に関する権利
また、同様に「出資」には、出資に関する権利が含まれます。株式会社以外の法人である合名会社、合資会社、信用金庫、信用組合、協同組合、その他の法人などに対して、財産を提供して得られる法律上の地位のことです。
これらの権利は、そのままでは株式のように独立して売買されることはありませんが、これらの権利が発生している場合には、相続税の財産評価上は、その権利の価額に相当する金額を控除したうえで、株式の価額を修正して個別に権利の価額を評価します。
相続税基本通達 第10条
(株式に関する権利等の所在)
法第10条第1項第8号に掲げる「株式」には、株式に関する権利を含むものとし、「出資」には、出資に関する権利を含むものとする。(昭57直資2-177追加、平15課資2-1改正)相続税法第10条第1項第8号
社債(特別の法律により法人の発行する債券及び外国法人の発行する債券を含む。)若しくは株式、法人に対する出資又は政令で定める有価証券については、当該社債若しくは株式の発行法人、当該出資のされている法人又は当該有価証券に係る政令で定める法人の本店又は主たる事務所の所在