相続税というと、被相続人が亡くなる前に取得した財産や所持していた財産というイメージがありますが実際には、被相続人が亡くなることで発生する生命保険や退職金などの支払いに対しても課税対象とされています。
原則としては、被相続人がお金を支払っている保険や持っている権利や利益については把握しておき、相続税なのか贈与税なのかを判断して納税の際に税額控除などについて把握しておけば問題回避に繋がると言えます。
~目次~
1.相続または遺贈とみなされ課税される財産とは
課税対象である相続または贈与を受けた場合には相続税や贈与税を支払う義務が発生します。納税を正確にするためにも知っておくべき課税対象とされている相続・遺贈を解説します。
(1)課税対象とされる財産リスト
1、生命保険
2、退職金
3、生命保険契約に対する権利
4、定期金に関する権利
5、保証期間付き定期金に関する権利
6、契約に基づかない定期金に関する権利
7、相続財産法人から分与を受けた相続
8、信託受益権
(2)1と2の生命保険と退職金手当
一般的には、被相続人が亡くなったことで、生命保険や退職金による保険金や退職金が家族や遺族などに支払われます。そして、租税制度では相続人が保険料の一部または全額を払っていた場合の保険料は、財産とみなされるので課税の対象になります。
(3)3~8の権利などの相続
これらも同じように財産とみなされれば相続または贈与に関する課税の対象とされているので相続税が発生ます。
1.相続または遺贈とみなされず、課税されない財産とは
相続財産には課税対象ではなく、相続税や贈与税の支払い義務が発生しないものも存在します。ではどんなものが対象外なのでしょうか。
非課税財産
皇族経済法の定められている規定により皇位と一緒に継承されるものや、公共事業に用いられる財産、墓地、国または地方自治体に寄付した財産、一定額の保険金を受け取った場合などは非課税財産として、相続または遺贈に課税されません。
(相続又は遺贈により取得したものとみなされる財産)
55-2 法第55条の規定により課税価格を計算する場合において、法第3条及び第4条並びに第7条から第9条までの規定により相続又は遺贈により取得したものとみなされる財産があるときは、当該財産の価額は、その者の民法に規定する相続分又は包括遺贈の割合に応ずる本来の相続財産価額に加算して課税価格を計算するものとする。