月極めの駐車場として利用している土地の相続税の財産評価額はどのように評価するかがこの質疑応答事例では質問されています。
駐車場の価額
その回答は以下のようなものです。土地の所有者が自らその土地を月極めなどの貸し駐車場としてその土地を利用している場合はその土地は土地の自用地としての価額によって評価することになります。
その理由としては、駐車場は自動車を一定期間その土地で保管することを引き受ける契約を結んだものであり、土地の利用そのものとは異なる契約とみなされることから、駐車場の利用権は、土地自体に及ぶものとされます。
ほとんどの駐車場の価額は雑種地としてその土地が評価されることになり、その方法はその雑種地と似た付近の土地についての1平方メートルあたりの価額を基礎として、その雑種地の地積を乗じたものが駐車場の土地の価額となります。
車庫などの施設の費用を利用者が負担する場合
しかしながら車庫などの施設の費用を駐車場の利用者が負担する場合には土地の賃貸借にあたると考えられ、その土地の自用地としての価額からその賃借権の価額を控除することになります。
そのときの賃借権の価額は、地上権に準ずる権利として評価することが相当と認められる賃借権の場合は自用地としての価額に法定地上権割合又は借地権割合を乗じたものをもって賃借権の価額とします。
また、その場合以外の賃借権の場合は自用地としての価額に賃借権の残り期間に応じてその賃借権が地上権であるとみなした場合の法定地上権割合の1/2に相当する割合を乗じたものをその場合の賃借権の評価額とします。
貸駐車場として利用している土地の評価
【照会要旨】
月極めの駐車場の用に供している土地の価額は、どのように評価するのでしょうか。【回答要旨】
土地の所有者が、自らその土地を月極め等の貸駐車場として利用している場合には、その土地の自用地としての価額により評価します。(理由)
土地の所有者が貸駐車場を経営することは、その土地で一定の期間、自動車を保管することを引き受けることであり、このような自動車を保管することを目的とする契約は、土地の利用そのものを目的とした賃貸借契約とは本質的に異なる契約関係ですから、この場合の駐車場の利用権は、その契約期間に関係なく、その土地自体に及ぶものではないと考えられるためです。【関係法令通達】
財産評価基本通達86、87
