「庭内神し(ていないしんし)」の敷地については、相続税評価を行う上で非課税となります。
例えば、自宅敷地が500㎡あり、うち10㎡が「庭内神し」の敷地と認められれば自宅敷地のうち10㎡は非課税として評価する必要はありません。
では、「庭内神し」とは具体的にどういうものを指し、どこまでが「庭内神し」と認められるのでしょうか。具体的に解説をしていきます。
1.「庭内神し」とは?
>>無料会員に入会すると、実務で使えるオリジナル書式をプレゼント!!国税庁の情報によりますと、「庭内神し」について、以下のように説明があります。
「庭内神し」とは、一般に、屋敷内にある神の社や祠等といったご神体を祀り日常礼拝の用に供しているものをいい、ご神体とは不動尊、地蔵尊、道祖神、庚申塔、稲荷等で特定の者又は地域住民等の信仰の対象とされているものをいいます。
こちらの文章の通りですが、礼拝の対象である、何らかの「ご神体」が祭られていることが必須条件であることが分かります。地域や風習によって、その形状等は異なりますので、一律に決められておらずこのような表現になっています。
2.「庭内神し」の敷地の判断基準は?
国税庁の情報によりますと、以下のような記載があります。
- 「庭内神し」の設備とその敷地、附属設備との位置関係やその設備の敷地への定着性その他それらの現況等といった外形
- その設備及びその附属設備等の建立の経緯・目的
- 現在の礼拝の態様等も踏まえた上でのその設備及び附属設備等の機能の面から、その設備と社会通念上一体の物として日常礼拝の対象とされているといってよい程度に密接不可分の関係にある相当範囲の敷地や附属設備
まず、上記における1.の「定着性」についてですが、例えば、簡単に移動ができるような台座を土地の上に置いただけのような礼拝設備では認められないでしょう。ただ、コンクリートの基礎や土台が必ずしも必要というわけではありません。
次に2.の建立の経緯や目的ですが、当然のことながら、相続対策として、無駄に広い庭内神しの設備を敷地内につくるといったことは認められないということです。
3.については、社会通念上という言葉が入っていますが、”常識的に考えて”と読み替えると分かりやすいでしょう。また、庭内神しの敷地だけではなく、その設備についても非課税となります。設備とは例えば、ご神体自身やその社などが該当するでしょう。