上場していない株式会社の場合、中心的な同族株主がいるかいないかで、株式の評価方式は大きく異なります。そのため、まずは自社が中心的な同族株主のいる会社なのかどうかを判断する必要があります。
そこで今回は、中心的な同族株主とその範囲についてご紹介します。
1.「中心的な同族株主」とは
>>無料会員に入会すると、実務で使えるオリジナル書式をプレゼント!!中心的な同族株主は、同族株主がいる会社かどうかで意味合いが変わります。
同族株主がいるかどうかは、筆頭株主グループの持つ議決権割合によって判断できます。
30%以上を保有していた場合は同族株主がいる会社、それ以下であればいない会社となります。
同族株主がいる場合、同族株主の一人やその配偶者などの持つ株式の合計が、課税時期に25%以上である場合の株主を指します。
2.「中心的な同族株主」の判定の基礎となる同族株主の範囲
ここでは中心的な同族株主の意味合いを左右する、同族株主の定義とその範囲についてご紹介します。
2-1.同族株主の定義
課税時期に合計30%の発行済株式を有する株主一人および同族関係者のことを「同族株主」と定義します。また、50%以上の株式を保有するグループがいた場合は、自動的にそのグループが同族株主となります。
一方、合計30%以上の株式を持つグループがひとつもない場合は、同族株主はいないと判断されます。その場合は中心的な同族株主がいるかどうかが重要となります。
2-2.同族株主の範囲
同族株主の範囲は、該当する割合の株式を持つ株主本人と、その同族関係者となります。同族関係者とは、株主と同族関係にある個人、もしくは会社のことをいいます。
前者の範囲は以下のとおりです。
・親族(株主から見て6親等内に入る血族、もしくは3親等内にある姻族)
・戸籍上入籍は指定内が、事実上婚姻関係が結ばれていると判断される者
・株主の使用人
・上記以外で株主から金銭を受け取ったり資産を得たりして、生計を維持できている者
・親族以外の項目にかかる人物と生計を一にしている親族
親族図で示すと、同族株主の範囲は以下の通りとなります(ピンク色の部分が同族株主の範囲です)。
一方、後者の場合は以下に該当する会社がその範囲となります。
・ある株主が50%以上の株式を保有している会社
・上記の株主と同族関係にある会社が保有している、50%を越える株式を有する会社
・上記の子会社が50%を越える株式を有する会社
中心的な同族株主の意味合いは同族株主がいるかいないかで大きく変わります。
同族株主の定義が間違っていると、後々大きな問題になる可能性があるため、まずは同族株主の範囲を確認することをおすすめします。