セットバックを必要とする宅地の相続税評価

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セットバックを必要とする宅地とは、現行の建築基準法において「幅員4m未満の道路に接している宅地に建築されている家屋の場合、家を立て直す際に道路の中心線から2m以内には家屋を建築することを不可とし、更にその上に道路の中心線から2mの部分までは道路の拡張部分として利用するために道路を管理する自治体に提供する。」という指定を受けた宅地のことを指します。
当然、家屋を建て直す際に宅地面積は狭くなることになりますが、日照や通風の環境の問題が以前より改善される点や、緊急車両が安全に通行できるようになる点などのメリットもあるため、一概に「宅地面積減→資産価値の減少」とも言い切れないです。

セットバックを必要とする宅地の評価

税制上でセットバックを必要とする宅地の評価価額は、現在の宅地の評価価額から、
次の計算式によって求めた控除割合分を引いた額を、税制上の評価価額とします。
[セットバックでの控除割合]
=[将来セットバックとして提供が必要な宅地の面積]÷[現在の宅地の総面積]×0.7

セットバックを必要とする宅地の評価の例外規定

例外的に将来セットバックが必要な宅地であっても、その宅地が広大地に該当するもので、「財産評価総則基本通達第2章24-4」(広大地の評価)に定められている「路線価値方式」もしくは「倍率方式」で税制上の価額評価を行う場合は、このセットバックを必要とする価額評価は行わないものとします。

【財産評価総則基本通達第2章24-6】(セットバックを必要とする宅地の評価)
建築基準法第42条第2項に規定する道路に面しており、将来、建物の建替え時等に同法の規定に基づき道路敷きとして提供しなければならない部分を有する宅地の価額は、その宅地について道路敷きとして提供する必要がないものとした場合の価額から、その価額に次の算式により計算した割合を乗じて計算した金額を控除した価額によって評価する。ただし、その宅地を24-4((広大地の評価))(1)又は(2)により計算した金額によって評価する場合には、本項の定めは適用しないものとする。(平14課評2-2外追加、平16課評2-7外・平17課評2-11外改正)
(算式)

【財産評価総則基本通達第2章24-4】(広大地の評価)
その地域における標準的な宅地の地積に比して著しく地積が広大な宅地で都市計画法第4条((定義))第12項に規定する開発行為(以下本項において「開発行為」という。)を行うとした場合に公共公益的施設用地の負担が必要と認められるもの(22-2((大規模工場用地))に定める大規模工場用地に該当するもの及び中高層の集合住宅等の敷地用地に適しているもの(その宅地について、経済的に最も合理的であると認められる開発行為が中高層の集合住宅等を建築することを目的とするものであると認められるものをいう。)を除く。以下「広大地」という。)の価額は、原則として、次に掲げる区分に従い、それぞれ次により計算した金額によって評価する。(平6課評2-2外追加、平11課評2-12外・平12課評2-4外・平16課評2-7外・平17課評2-11外改正)
(1) その広大地が路線価地域に所在する場合
その広大地の面する路線の路線価に、15((奥行価格補正))から20-5((容積率の異なる2以上の地域にわたる宅地の評価))までの定めに代わるものとして次の算式により求めた広大地補正率を乗じて計算した価額にその広大地の地積を乗じて計算した金額
その広大地が路線価地域に所在する場合の価額の算式
(2) その広大地が倍率地域に所在する場合
その広大地が標準的な間口距離及び奥行距離を有する宅地であるとした場合の1平方メートル当たりの価額を14((路線価))に定める路線価として、上記(1)に準じて計算した金額
(注)
1 本項本文に定める「公共公益的施設用地」とは、都市計画法第4条≪定義≫第14項に規定する道路、公園等の公共施設の用に供される土地及び都市計画法施行令(昭和44年政令第158号)第27条に掲げる教育施設、医療施設等の公益的施設の用に供される土地(その他これらに準ずる施設で、開発行為の許可を受けるために必要とされる施設の用に供される土地を含む。)をいうものとする。
2 本項(1)の「その広大地の面する路線の路線価」は、その路線が2以上ある場合には、原則として、その広大地が面する路線の路線価のうち最も高いものとする。
3 本項によって評価する広大地は、5,000平方メートル以下の地積のものとする。したがって、広大地補正率は0.35が下限となることに留意する。
4 本項(1)又は(2)により計算した価額が、その広大地を11((評価の方式))から21-2((倍率方式による評価))まで及び24-6((セットバックを必要とする宅地の評価))の定めにより評価した価額を上回る場合には、その広大地の価額は11から21-2まで及び24-6の定めによって評価することに留意する。

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