借家人の有する宅地等に対する権利の相続税評価は二つの場合に分かれて評価します。
ひとつは、(1)「その権利が借家の敷地である宅地またはその宅地にかかる借地権に対するものである場合」であり、ひとつは(2)「その権利がその借家の敷地である宅地にかかる転借権に対するものである場合」です。(1)と(2)の大きな違いは借家人の有する権利が「借地権」に対するものであるか「転借権」に対するものであるかです。
(1)借家人の有する権利が借地権に対するものであった場合
借家人の有する権利が借地権に対するものであった場合は、<27借地権の評価>または<27-6土地の上に存する権利が競合する場合の評価>の定めにより評価した宅地にかかる借地権の価額に94<借家権の評価>によって求めた「借家権割合」と「賃借割合」を乗じて計算し、得られた答えを元に評価します。
(2)借家人の有する権利が転借権に対するものであった場合
借家人の有する権利が転借権に対するものであった場合は(1)と同じように<27借地権の評価>または<27-6土地の上に存する権利が競合する場合の評価>の定めによって評価した宅地にかかる転借権の価額に(1)と同じように94「借家権の評価」によって求められる「借家権割合」と「賃貸割合」を乗じ、得られた答えを元に評価をします。
終わりに
これらの評価は原則として行われますが、これらの権利が権利金等の名称をもって取引される慣行がない地域にある借家、宅地等についての評価はしないものとされています。