共有持分を取得した場合の相続税の課税関係についての解説
共有持分を取得した場合の相続税の課税関係を、把握する前に共有持分の定義を理解していきましょう。共有とは、1つの物を複数で所有している状態、形態です。持分とは、共有者の所有の割合の事を言います。
共有持分で一番イメージしやすいのは不動産かもしれません。持ち家は多くの場合、夫婦で共有されている財産である為です。
共有持分を取得した場合とは、例えば共有者の1人が亡くなった、または財産放棄といった状況です。
この状態では、共有者が最低1人いる事になります。共有持分ですから、複数いて1人が亡くなっても他にいます。
持ち家のケースで考えると持ち家には夫婦と子供が住んでいて、夫が亡くなった時の妻、子供の課税関係、これが今回の説明となります。
この場合、夫が亡くなった事で、妻に相続税が課せられる可能性が高いです。共有している妻には課税の義務がないように思えますが税法上では相続、遺贈と見なされます。
この考え方は、共有者の1人が持分を放棄する事で、持分(先に説明した共有者の所有の割合です)が他の共有者に帰属して、他の共有者は持分を贈与、遺贈として取得した事となります。よってこのようなケースでは相続税が課せられるのです。
注意点としては持分が増えた事による相続人の相続税の負担増です。
先の例では共有者の夫が1人亡くなりました。これは夫が亡くなっただけではなく、持分(割合)も妻などの相続人に移行した事となり、相続人の持分が増えたと言い換える事ができます。
つまり、他の共有者の持分(割合)が大きく増える事となるのと同時に、相続税の負担も大きくなります。