同族会社が新株発行をする場合において、当該株式に掛る引受権を「募集株式引受権」と言う。(相続税基本通達 第9条 4項)
平成17年に会社法の創設により、新株式の発行手続きと自己株式の処分手続きを一本化し、株式の引き受けの申し込みをした者に対して割りあてる株式を「募集株式」として区別なく扱うようになった。(会社法 第86号)
同族会社の募集株式引受権
同族会社が募集株式引受権の全部または一部が会社法(第206条各号)に挙げる者(主に親族、その他法施行令31条に定める特別の関係がある者)に与えられ、当該募集株式引受権に基づき新株を取得した時は、原則、当該株主の親族が、当該募集株式引受権を当該株主から贈与によって取得したものとして扱われます。
同族会社の新株引受権の譲渡を受けた場合、基本的には贈与としてみなされるので、贈与税の課税対象となります。
贈与により取得したものとする募集株式引受権数の計算
その者の親族から贈与により取得したものとする募集株式引受権数=A×C/B
A=ほかの株主又は従業員と同じ条件により与えられる募集株式引受権の数を超えて与えられた者のその超える部分の募集株式引受権の数
B=当該法人の株主又は従業員が他の株主又は従業員と同じ条件により与えられる募集株式引受権のうち、その者の取得した新株の数が、当該与えられる募集株式引受権の数に満たない数の総数
C=Bの募集株式引受権の総数のうち、Aにあげる者の親族等(親族が二人以上ある時は、当該親族一人ごと)の占めている者の数
(同族会社の募集株式引受権)
9-4 同族会社が新株の発行(当該同族会社の有する自己株式の処分を含む。以下9-7までにおいて同じ。)をする場合において、当該新株に係る引受権(以下9-5までにおいて「募集株式引受権」という。)の全部又は一部が会社法(平成17年法律第86号)第206条各号((募集株式の引受け))に掲げる者(当該同族会社の株主の親族等(親族その他法施行令第31条に定める特別の関係がある者をいう。以下同じ。)に限る。)に与えられ、当該募集株式引受権に基づき新株を取得したときは、原則として、当該株主の親族等が、当該募集株式引受権を当該株主から贈与によって取得したものとして取り扱うものとする。ただし、当該募集株式引受権が給与所得又は退職所得として所得税の課税対象となる場合を除くものとする。(昭57直資2-177、平18課資2-2改正)