土地の上に存する権利が競合する場合の宅地の評価

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • LINEで送る

土地の上にいくつかの権利が競合して存在している場合はその組み合わせにより評価の方法が変わってきます。

借地権、定期借地権、または地上権および区分地上権

借地権、定期借地権、地上権と区分地上権が競合している場合の土地の評価は
【自用地としての価額-(区分地上権の価額+(借地権、定期借地権、地上権の価額))】
になります。自用地の価額は、その土地が完全な自分の土地とした場合の価額で、区分地上権の価額は基本通達27-4により、借地権、定期借地権、地上権の価額は基本通達27-6(1)によって算出される値を代入します。
ここで言う区分地上権とはおおまかに言えば地下鉄や高架線など、土地の地下や空中などにある物体を所有する権利を指します。

区分地上権および、区分地上権に準ずる地役権の目的となっている承役地

区分地上権および区分地上権に準ずる地役権の目的とされている承役地である場合の宅地の評価額は
【自用地としての価額-(区分地上権の価額+地益権の価額)】
となります。区分地上権の価額はさきほどと同じように基本通達27-4からの評価額を用います。そして地役権は区分地上権に準ずる地役権のもので基本通達27-5によって評価されたものを代入します。

借地権、定期借地権等又は地上権及び区分地上権に準ずる場合

借地権、定期借地権等または地上権が設定されていて、かつ地上権に準ずる地役権の目的となっている承役地となっている場合は
【自用地としての価額-(地役権の価額+(借地権、定期借地権、地上権の価額))】
となります。この時地役権の価額はさきほどと同じように基本通達27-5より評価し、借地権、定期借地権、地上権の価額は、基本通達27-6(2)により評価します。

財産評価基本通達25-3】(土地の上に存する権利が競合する場合の宅地の評価)
土地の上に存する権利が競合する場合の宅地の価額は、次に掲げる区分に従い、それぞれ次の算式により計算した金額によって評価する。(平3課評2-4外追加、平6課評2-2外・平17課評2-11外改正)

(1) 借地権、定期借地権等又は地上権及び区分地上権の目的となっている宅地の価額

借地権、定期借地権等又は地上権及び区分地上権の目的となっている宅地の価格の算式

(2) 区分地上権及び区分地上権に準ずる地役権の目的となっている承役地である宅地の価額

区分地上権及び区分地上権に準ずる地役権の目的となっている承役地である宅地の価格の算式

(3) 借地権、定期借地権等又は地上権及び区分地上権に準ずる地役権の目的となっている承役地である宅地の価額

借地権、定期借地権等又は地上権及び区分地上権に準ずる地役権の目的となっている承役地である宅地の価格の算式

(注) 国税局長が貸宅地割合を定めている地域に存する借地権の目的となっている宅地の価額を評価する場合には、25((貸宅地の評価))(1)のただし書の定めにより評価した価額から、当該価額に 27-4((区分地上権の評価))の区分地上権の割合又は 27-5((区分地上権に準ずる地役権の評価))の区分地上権に準ずる地役権の割合を乗じて計算した金額を控除した金額によって評価することに留意する。

※この記事は専門家監修のもと慎重に執筆を行っておりますが、万が一記事内容に誤りがあり読者に損害が生じた場合でも当法人は一切責任を負いません。
なお、ご指摘がある場合にはお手数おかけ致しますが、「お問い合わせ→記事内容に関するお問い合わせ」よりお問合せ下さい。
但し、記事内容に関するご質問や問い合わせにはお答えできませんので予めご了承下さい。


【相続実務アカデミー】実務向け最新の相続知識を無料で!!無料会員登録はこちら
【採用情報 - RECRUIT -】チェスターで一緒に働きませんか?相続業務の魅力・給与・福利厚生ectはこちら
  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • LINEで送る