地区の異なる2以上の路線に接する宅地の評価

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今回のケースでは、「宅地の各辺がそれぞれ別の路線価地域に接していて、各路線価が違っている場合。」の宅地を指します。
最も多い例は「交差点の四差路部分に自宅があり、接している二辺の路線化地区が異なり路線価異なっている」宅地(例えば宅地の一辺が『普通住宅地区』、もう一辺が『普通商業・併用住宅地区』に指定されている等)」のケース(この場合の宅地を「角地」と称します)を指しますが、宅地の三辺以上がそれぞれ別の路線価地域に接している場合も該当します。
この場合、税制での評価上は「宅地の利便性が向上していること」から、税務上の評価額が大きくなります。

地区の異なる2以上の路線に接する宅地の評価

税制上で地区の異なる2以上の路線に接する宅地の評価を行う場合、まずその土地の「正面路線」を決定します。正面路線とは「自宅の玄関があり普段の出入りに使用している」「車庫があって直接自家用車がその路線に出る」「最も使用頻度が高い」等の生活に利用している路線か否かは関係なく、税制上では「該当する宅地が接している路線の路線価に奥行価格補正率を掛け算したものの中で、最も高い金額の路線」のことを指します。
まず各路線価に奥行価格補正率を掛け算した答え(補正した正面路線価)を比較して、最も大きな金額になるものから正面路線を決定し、価額を算出して。次に、正面路線以外の路線については、各路線価に奥行価格補正率と側方路線影響加算率を掛け算して、「補正した側面路線価」を算出しておきます。
このようにして求めた「補正した正面路線価と補正した側面路線価すべて足し算」して、その数値に「土地の面積を掛け算した」金額が、税務上での「地区の異なる2以上の路線に接する宅地の評価方法」になります。

【財産評価総則基本通達第2章15】(奥行価格補正)
一方のみが路線に接する宅地の価額は、路線価にその宅地の奥行距離に応じて奥行価格補正率を乗じて求めた価額にその宅地の地積を乗じて計算した価額によって評価する。(昭45直資3-13・昭47直資3-16・平3課評2-4外・平11課評2-12外改正)
【財産評価総則基本通達第2章16】(側方路線影響加算)
正面と側方に路線がある宅地(以下「角地」という。)の価額は、次の(1)及び(2)に掲げる価額の合計額にその宅地の地積を乗じて計算した価額によって評価する(昭45直資3-13・昭47直資3-16・平3課評2-4外改正)
(1) 正面路線(原則として、前項の定めにより計算した1平方メートル当たりの価額の高い方の路線をいう。以下同じ。)の路線価に基づき計算した価額
(2) 側方路線(正面路線以外の路線をいう。)の路線価を正面路線の路線価とみなし、その路線価に基づき計算した価額に付表2「側方路線影響加算率表」 に定める加算率を乗じて計算した価額

【財産評価総則基本通達第2章第2節付表1】奥行価格補正率表(昭45直資3-13・平3課評2-4外・平18課評2-27外改正)

地区区分

           

奥行距離
(メートル) 
ビル街地区  高度商業地区 繁華街地区 普通商業・併用住宅地区  普通住宅地区  中小工場地区 大工場地区
 4未満 0.80 0.90 0.90 0.90 0.90 0.85 0.85
 4以上6未満 0.92 0.92 0.92 0.92 0.90 0.90
 6 〃  8 〃 0.84 0.94 0.95 0.95 0.95 0.93 0.93
 8 〃  10 〃 0.88 0.96 0.97 0.97 0.97 0.95 0.95
 10 〃  12 〃 0.90 0.98 0.99 0.99 1.00 0.96 0.96
 12 〃  14 〃 0.91 0.99 1.00 1.00 0.97 0.97
 14 〃  16 〃 0.92 1.00 0.98 0.98
 16 〃  20 〃 0.93 0.99 0.99
 20 〃  24 〃 0.94 1.00 1.00
 24 〃  28 〃 0.95 0.99
 28 〃  32 〃 0.96 0.98 0.98
 32 〃  36 〃 0.97 0.96 0.98 0.96
 36 〃  40 〃 0.98 0.94 0.96 0.94
 40 〃  44 〃 0.99 0.92 0.94 0.92
 44 〃  48 〃 1.00 0.90 0.92 0.91
 48 〃  52 〃 0.99 0.88 0.90 0.90
 52 〃  56 〃 0.98 0.87 0.88 0.88
 56 〃  60 〃 0.97 0.86 0.87 0.87
 60 〃  64 〃 0.96 0.85 0.86 0.86 0.99
 64 〃  68 〃 0.95 0.84 0.85 0.85 0.98
 68 〃  72 〃 0.94 0.83 0.84 0.84 0.97
 72 〃  76 〃 0.93 0.82 0.83 0.83 0.96
 76 〃  80 〃 0.92 0.81 0.82
 80 〃  84 〃 0.90 0.80 0.81 0.82 0.93
 84 〃  88 〃 0.88 0.80
 88 〃  92 〃 0.86 0.81 0.90
 92 〃  96 〃 0.99 0.84
 96 〃  100 〃 0.97 0.82
100 〃 0.95 0.80 0.80

【財産評価総則基本通達第2章第2節付表2】側方路線影響加算率表(平3課評2-4外・平18課評2-27外改正)
※本表は平成19年分以降用です。

地区区分 加算率
角地の場合 準角地の場合
 ビル街地区 0.07 0.03
 高度商業地区
 繁華街地区     
0.10 0.05
 普通商業・併用住宅地区  0.08 0.04
 普通住宅地区    
 中小工場地区    
0.03 0.02
 大工場地区       0.02 0.01

(注) 準角地とは、次図のように一系統の路線の屈折部の内側に位置するものをいう。

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