契約に基づかない定期金に関する権利とは
契約に基づかない定期金に関する権利とは、被相続人の死亡により相続人その他の者が、定期金 (これに係る一時金を含む) に関する権利で契約に基づかないものを取得した場合のその取得した権利です。
(例えば、退職年金の受給者が死亡して、相続人がその年金の支給を受けることとなった場合)その権利は相続又は遺贈により取得したものとみなされます。
たとえば、退職年金契約とは、退職金を1回で受け取らず、年金として数年に分けて支払ってもらう契約をいいます。退職金は、本来退職者に支払われますが、年金でもらう場合、数年にわたってしまう為、途中で受取人が死亡してしまう可能性があります。
そこで、退職金を受取人が満額もらってないことになるので、このまだ受け取ってない部分(つまりこれが権利となります)を、受取人に代わって相続人等に支払われるのです。
この権利に継続受取人に対して相続税を課税していく、とされるみなし相続財産として扱われます。
被相続人の死亡を起因として退職手当金等が定期金で支給された場合は、契約に基づかない定期金に関する権利に該当しないため、退職手当金等として通常通り課税されます。
共済年金等は課税されない
船員保険法の規定による遺族年金、厚生年金保険法の規定による遺族年金はそれぞれの法律の規定により租税について非課税とされているため、相続税は課税されないことに注意が必要です。
【相続税基本通達】
(契約に基づかない定期金に関する権利)
法第3条第1項第6号に規定する「定期金に関する権利で契約に基づくもの以外のもの」には、
3―29の定めに該当する退職年金の継続受取人が取得する当該年金の受給に関する権利のほか、
船員保険法の規定による遺族年金、厚生年金保険法(昭和29年法律第115号)の規定による遺族年金等があるのであるが、
これらの法律による遺族年金等については、それぞれそれらの法律に非課税規定が設けられているので、
相続税は課税されないことに留意する。(昭50直資2-257、昭57直資2-177、平元直資2-207、平27課資2-9改正)(注)
1 被用者年金制度の一元化等を図るための厚生年金保険法等の一部を改正する法律(平成24年法律第63号)(以下「一元化法」という。)
附則第37条第1項((改正前国共済法による 給付等))の規定によりなおその効力を有するとされる場合における一元化法による改正前の国家公務員共済組合法
(以下「改正前国共済法」という。)第88条((遺族共済年金受給権者))の規定により支給される遺族共済年金については、改正前国共済法第50条((公課の禁止))の規定により、
相続税は課税されないことに留意する。
2 一元化法附則第61条第1項((改正前地共済法による給付等))の規定によりなおその効力を有するとされる場合における一元化法による改正前の地方公務員等共済法
(以下「改正前地共済法」という。)第99条((遺族共済年金の受給権者))の規定により支給される遺族共済年金については、改正前地共済法第52条((公課の禁止))の規定により、
相続税は課税されないことに留意する。
3 一元化法附則第79条((改正前私学共済法による給付))の規定によりなおその効力を有するとされる場合における一元化法による改正前の私立学校教職員共済法
(以下「改正前私学共済法」という。)第25条((国家公務員共済組合法の準用))において準用する改正前国共済法第88条の規定により支給される遺族共済年金については、
改正前私学共済法第5条((非課税))の規定により、相続税は課税されないことに留意する。