果樹とはリンゴやみかんなどの果物のなる樹木のことを指します。果樹の評価方法は財産評価基本通達98の評価単位である果樹の樹齢による方法で評価を行うこととなります。
そして果樹の評価は、果樹が成熟して果物の収穫ができるかどうかによってその評価を行う方法が変わることになります。
幼齢樹の評価
幼齢樹は評価を行う果樹が成熟する前の状態でまだ果物の収穫はできない場合になります。その状態の果樹の財産評価額はその果樹を植えた時点から課税時期(相続人が死亡した時点)までの間にかかった苗木代、肥料代、薬剤費などの諸費用の合計金額の70/100の値段になります。
この関係を数式で単純化して表すと、「諸費用×70/100」となります。
成熟樹の評価
成熟樹は評価を行う果樹が成長して果物が収穫できる状態になった時をいいます。この成熟した果樹の評価方法は、まず「樹を植えた時~成熟」までの期間にかかった苗木台、肥料代、薬剤費などの合計を算出します。そして、その合計額から「成熟~課税時期」までの償却費の合計をマイナスした金額の70/100が成熟樹の評価額になります。この関係を数式を用いて単純化すると
「(諸費用-償却費)×70/100」となります。償却費は費用を何年かにわたって支払う方法で、ここでの償却費の支払い方法は定額法と呼ばれる一定の金額を一年ごとに支払う支払い方法を用います。そしてその耐用年数、つまり償却費の支払い期間は、耐用年数省令に記載がある年数とします。
【財産評価基本通達99】(果樹等の評価)
果樹等の価額は、前項に掲げる区分に従い、それぞれ次に掲げるところによる。(昭41直資3-19・昭45直資3-13・平20課評2-5外改正)
(1) 幼齢樹
幼齢樹の価額は、植樹の時から課税時期までの期間に要した苗木代、肥料代、薬剤費等の現価の合計額の100分の70に相当する金額によって評価する。
(2) 成熟樹
成熟樹の価額は、植樹の時から成熟の時までの期間に要した苗木代、肥料代、薬剤費等の現価の合計額から、成熟の時から課税時期までの期間(その期間に1年未満の端数があるときは、その端数は1年とする。)の償却費の額の合計額を控除した金額の100分の70に相当する金額により評価する。この場合における償却方法は、所得税法施行令第120条の2第1項第1号又は法人税法施行令第48条の2第1項第1号に規定する定額法によるものとし、その耐用年数は耐用年数省令に規定する耐用年数による。