人が継続的に居住する建築物以外の建築物を構築物といいます。この構築物を所有している方がなくなった場合、その相続人は、その構築物の相続税評価をすることが必要になります。そこで、以下では、その評価について解説します。
構築物の相続税評価とは
相続税基本通達第4章では、構築物の相続税評価について規定されています。構築物とは、人間が継続的に居住・滞在する目的以外のために建設された構造物のことをいいます。したがって、人が居住する家屋は構築物には含まれません。
相続財産評価において構築物に該当するものは、以下のような物件です。
・煙突
・アスファルト舗装
・送電線のための鉄塔
・立体駐車場
・トンネル
・広告塔 など
構築物の相続税評価単位
構築物に該当する物件を所有している方に相続が開始すると、その相続人は、その構築物の相続税評価を行わなくてはなりません。その場合、評価対象の構築物の評価単位はどのようになるのかが問題となります。
これに対して、相続税評価基本通達第4章96において、構築物の評価単位は、原則として1個の構築物ごとに評価すると規定しています。原則として取得価額が10万円以上の構築物は、償却資産として固定資産税が課税されますので、取得価額が10万円以上の構築物は、固定資産台帳に登録されることになります。
このように固定資産台帳に登録される構築物の場合には、台帳において1つの物件として
評価される単位が、相続税評価における評価単位となります。なお、2個以上の構築物で、それらを分離すると、それぞれの利用価値を著しく下げるような場合には、例外的にそれらを1つの構築物として評価します。
構築物の相続税評価の方法
相続税評価基本通達では、構築物の相続税評価は、構築物を再築した場合に必要となる費用(再建築価額)から、建築時点から評価時点までの期間に応じた減価償却費の合計額又は再建築価額から建築時点から評価時点までの期間に応じた減価償却費の合計額を控除した価額の70%に相当する額とすると規定されています。
その際、減価償却費を計算する方法は定率法とし、構築物の耐用年数については、所得税や法人税の計算の際に用いられる減価償却等の耐用年数に関する省令(旧大蔵省が発令)で規定された耐用年数を使用することとなっています。
構築物の評価単位の例外
構築物でも、その評価をその構築物が設置されている土地と一括して評価することが妥当なものや、その構築物が付属している家屋と一括して評価することが妥当なものは、構築物の評価単位の例外として、そこ構築物が設置されている土地又は付属している家屋と一括して、その相続税評価を行います。
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