特別夫婦年金保険の年金支給開始年齢に達する前に夫婦のどちらかが死亡した場合は、保険契約に関する権利が存命の配偶者に与えられます。
亡くなったのが保険料を納めていた方だと、残った配偶者がその権利を相続することになりますから、課税の対象となるという点に注意しておきましょう。
なお課税は権利を相続するときだけに適用され、その後については課税されることはありません。
またこのことから、実際に年金の支払いが行われたときに、あらためて相続税を支払うことも必要ないと考えられます。
なお、保険料を納めていなかった方が死亡した場合には課税関係は発生しません。
特別年金保険では死亡した時点で課税関係が発生する
それではここから、特別夫婦年金保険の概要や課税関係が発生するタイミングについて詳しく解説していきます。できるだけ簡単に説明しましたので、特別夫婦年金保険やその相続に関しての情報を知りたい方は、一読されることをおすすめします。
(1)特別夫婦年金保険とは
特別夫婦年金保険は簡易保険には次のような特長があります。
特別夫婦年金保険においては、夫婦のうち一方の配偶者が「主たる被保険者」となり、他方が「配偶者た り被保険者」となります。保険契約者が被保険者に該当するのは通常の保険と同じですが、保険の契約をしていない方の配偶者も被保険者となるのがユニークな点です。
特別夫婦年金保険は簡易保険の一種です。配偶者の一方が死亡した場合、残された配偶者に年金の支払いが開始されます。
年金の支払い開始年齢より以前に夫婦のどちらか一方が亡くなったときは、支払いが開始される年齢になった当日から、生存している配偶者に対して契約で定められた保証期間を通して年金が支払われます。
(2)課税対象となるケース
次に特別夫婦年金保険の年金が相続税の課税対象となる場合について、簡単に説明します。
年金の支払開始年齢になるより前に「保険契約者=主たる被保険者」が亡くなったときには、保険契約者の地位を「配偶者たる被保険者」が承継します。
これによって「主たる被保険者」から「配偶者たる被保険者」へ、生命保険契約に関する権利が相続されるので、相続税の課税対象となります。
「配偶者たる被保険者」に年金の支払いが開始された後に「主たる被保険者」が亡くなった場合は、「配偶者たる被保険者」は、年金を相続により取得したとみなされることから、相続税が課税されます
「主たる被保険」及び「配偶者たる被保険者」に年金の支払いが開始された後、両者のどちらかから財産を相続した場合も課税対象となります。