特別緑地保全地区内の山林の相続税評価額は、通常の山林の相続税評価額から、その価額に80/100を乗じた金額を控除した価額となります。では、特別緑地保全地区内にあり、かつ、管理協定が締結されている山林の相続税評価はどうなるのでしょうか。
以下で解説します。
特別緑地保全地区内で管理協定が締結されている山林の相続税評価
ある質問者から、国税庁に対して、次のような照会がなされました。
それは、特別緑地内にあり、かつ、管理協定が締結されている山林の相続税評価はどのように行うのか、というものです。
この照会に対して、国税庁では、以下のとおり回答しています。
以下の(1)及び(2)の要件を満たす山林については、財産評価基本通達50-2に定める特別緑地保全地区内にある土地として評価した価額から、その価額に20/100を乗じて計算した金額を控除して評価します。
(1)都市緑地法第24条第1項に規定する管理協定区域の土地であること
(2)以下の要件を満たす管理協定が締結されていること
① 貸付の期間が20年であること
② 正当な事由がない限り貸付を更新すること
③ 土地所有者は、貸付の期間の途中において正当な事由がない限り、土地の返還を求めることはできないこと
なお、上記の管理協定とは、地方公共団体又は緑地管理機構が、緑地保全地域内又は特別緑地保全地区内の緑地について土地所有者等による管理が不十分と認められる場合に、土地所有者等との間で緑地の管理のための協定(管理協定)を締結し、その土地所有者等に代わり緑地の保全及び管理を行う制度です。
上記の照会及びそれに対する回答が、国税庁の質疑応答「特別緑地保全地区内で管理協定が締結されている山林の評価」となります。
管理協定のある特別緑地保全地区内の山林の相続税評価の補足事項
上記の質疑応答における特別緑地保全地区とは、都市緑地法第12条、首都圏近郊緑地保全法第5条、近畿圏の保全区域の整備に関する法律第6条で規定されている、都市における良好な自然的環境となる緑地として、建築行為等の一定の行為が制限され、現状凍結的に保全されている地区のことを言います。
また、同じく、財産評価基本通達50-2に定める特別緑地保全地区内にある土地(山林)として評価した価額とは、通常の山林としての相続税評価額から、その価額に80/100を乗じて計算した金額を控除した金額となります。
最後に、管理協定が締結されている特別緑地保全地区内の山林について、上記の質疑応答で示されている相続税評価額の軽減措置を受けるためには、相続税又は贈与税の申告書に一定の書面を添付する必要があります。
※この記事は専門家監修のもと慎重に執筆を行っておりますが、万が一記事内容に誤りがあり読者に損害が生じた場合でも当法人は一切責任を負いません。
なお、ご指摘がある場合にはお手数おかけ致しますが、「お問い合わせ→記事内容に関するお問い合わせ」よりお問合せ下さい。
但し、記事内容に関するご質問や問い合わせにはお答えできませんので予めご了承下さい。