相続税評価における一団の雑種地の判定

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税制上での地目としての雑種地は、「不動産登記事務取扱手続準則(平成17年2月25日付民二第456号法務省民事局長通達)第68条及び第69条」に該当する土地を指します。
尚、「財産評価基本通達第2章7:土地の評価上の区分」にて、不動産登記事務取扱手続準則において定められている地目の一部は、税制上で評価を行う際の地目では「雑種地」に含みますので、その点は確認を要します。

一団の雑種地に該当する例

雑種地を相続等で税が発生した場合に評価する際は、税制上では農地や宅地のような「利用の単位となっている一区画」や、山林や原野のような「一筆(土地の登記簿上でひとつの土地であると登記された単位)」ではなく、「一団」という単位で評価されます。
この一団とは、「同じ目的で使用されている土地」という意味で、例えば登記上や区画上で別となっている運動場やゴルフ場の土地などは「一団の雑種地」という扱いで、その土地の区画や土地の登記簿に関係なく、その同じ目的で使用している土地すべてで税制上の評価を行うことになります。

一団の雑種地の判定方法

この場合の一団の雑種地の判定方法は、まずは「すべてが同じ目的で使用されていること」という点を満たした上で、次の点が必要になります。
(1)物理的に一体となっている。
まず、「財産評価総則基本通達第2章22-2:大規模工場用地」の(注)に書かれているように、「不特定多数が通行する道路(公道など)や河川等で雑種地が分断されていない」ことが必須条件です。分離されている場合には、その分離された部分毎に「一団の雑種地」とします。
(2)雑種地でいずれの目的にも使用されていない土地
この土地も、物理的に一体であれば「一団の雑種地」とします。
(3)その他の場合
市街化調整区域以外の都市計画区域で市街地的形態を形成している地域において、雑種地が宅地と類似する状況で利用単位ごとに2箇所以上が隣接していて、雑種地の形状や面積、位置関係等から、国税庁に「一団の雑種地として評価するのが合理的」と判断されたもの。
これらの条件を、一団の雑種地の判定方法とします。

【財産評価総則基本通達第2章7-2】(評価単位)
土地の価額は、次に掲げる評価単位ごとに評価することとし、土地の上に存する権利についても同様とする。(平11課評2-12外追加・平16課評2-7外改正)
(1) 宅地
 宅地は、1画地の宅地(利用の単位となっている1区画の宅地をいう。以下同じ。)を評価単位とする。
(注) 贈与、遺産分割等による宅地の分割が親族間等で行われた場合において、例えば、分割後の画地が宅地として通常の用途に供することができないなど、その分割が著しく不合理であると認められるときは、その分割前の画地を「1画地の宅地」とする。
(2) 田及び畑
 田及び畑(以下「農地」という。)は、1枚の農 地(耕作の単位となっている1区画の農地をいう。以下同じ。)を評価単位とする。
 ただし、36-3((市街地周辺農地の範囲))に定める市街地周辺農地、40((市街地農地の評価))の本文の定めにより評価する市街地農地、40-2((広大な市街地農地等の評価))の本文の定めにより評価する市街地農地及び40-3((生産緑地の評価))に定める生産緑地は、それぞれを利用の単位となっている一団の農地を評価単位とする。この場合において、(1)の(注)に定める場合に該当するときは、その(注)を準用する。
(3) 山林
 山林は、1筆(地方税法(昭和25年法律第226号)第341条≪固定資産税に関する用語の意義≫第10号に規定する土地課税台帳又は同条第11号に規定する土地補充課税台帳に登録された1筆をいう。以下同じ。)の山林を評価単位とする。
 ただし、49((市街地山林の評価))の本文の定めにより評価する市街地山林及び49-2((広大な市街地山林の評価))の本文の定めにより評価する市街地山林は、利用の単位となっている一団の山林を評価単位とする。この場合において、(1)の(注)に定める場合に該当するときは、その(注)を準用する。
(4) 原野
 原野は、1筆の原野を評価単位とする。
ただし、58-3((市街地原野の評価))の本文の定めにより評価する市街地原野及び58-4((広大な市街地原野の評価))の本文の定めにより評価する市街地原野は、利用の単位となっている一団の原野を評価単位とする。この場合において、(1)の(注)に定める場合に該当するときは、その(注)を準用する。
(5) 牧場及び池沼
 牧場及び池沼は、原野に準ずる評価単位とする。
(6) 鉱泉地
 鉱泉地は、原則として、1筆の鉱泉地を評価単位とする。
(7) 雑種地
 雑種地は、利用の単位となっている一団の雑種地(同一の目的に供されている雑種地をいう。)を評価単位とする。
 ただし、市街化調整区域以外の都市計画区域で市街地的形態を形成する地域において、82≪雑種地の評価≫の本文の定めにより評価する宅地と状況が類似する雑種地が2以上の評価単位により一団となっており、その形状、地積の大小、位置等からみてこれらを一団として評価することが合理的と認められる場合には、その一団の雑種地ごとに評価する。この場合において、1の(注)に定める場合に該当するときは、その(注)を準用する。
(注)
1 「1画地の宅地」は、必ずしも1筆の宅地からなるとは限らず、2筆以上の宅地からなる場合もあり、1筆の宅地が2画地以上の宅地として利用されている場合もあることに留意する。
2 「1枚の農地」は、必ずしも1筆の農地からなるとは限らず、2筆以上の農地からなる場合もあり、また、1筆の農地が2枚以上の農地として利用されている場合もあることに留意する。
3 いずれの用にも供されていない一団の雑種地については、その全体を「利用の単位となっている一団の雑種地」とすることに留意する。

【財産評価総則基本通達第2章7】(土地の評価上の区分)
土地の価額は、次に掲げる地目の別に評価する。ただし、一体として利用されている一団の土地が2以上の地目からなる場合には、その一団の土地は、そのうちの主たる地目からなるものとして、その一団の土地ごとに評価するものとする。
 なお、市街化調整区域(都市計画法(昭和43年法律第100号)第7条((区域区分))第3項に規定する「市街化調整区域」をいう。以下同じ。)以外の都市計画区域(同法第4条((定義))第2項に規定する「都市計画区域」をいう。以下同じ。)で市街地的形態を形成する地域において、40((市街地農地の評価))の本文の定めにより評価する市街地農地(40-3((生産緑地の評価))に定める生産緑地を除く。)、40-2((広大な市街地農地等の評価))の本文の定めにより評価する市街地農地(40-3に定める生産緑地を除く。)、49((市街地山林の評価))の本文の定めにより評価する市街地山林、49-2((広大な市街地山林の評価))の本文の定めにより評価する市街地山林、58-3((市街地原野の評価))の本文の定めにより評価する市街地原野、58-4((広大な市街地原野の評価))の本文の定めにより評価する市街地原野又は82((雑種地の評価))の本文の定めにより評価する宅地と状況が類似する雑種地のいずれか2以上の地目の土地が隣接しており、その形状、地積の大小、位置等からみてこれらを一団として評価することが合理的と認められる場合には、その一団の土地ごとに評価するものとする。
 地目は、課税時期の現況によって判定する。(昭47 直資3-16・平3課評2-4外・平11課評2-12外・平16課評2-7外・平18課評2-27外改正)
(1) 宅地
(2) 田
(3) 畑
(4) 山林
(5) 原野
(6) 牧場
(7) 池沼
(8) 削除
(9) 鉱泉地
(10) 雑種地
(注) 地目の判定は、不動産登記事務取扱手続準則(平成17年2月25日付民二第456号法務省民事局長通達)第68条及び第69条に準じて行う。ただし、「(4)山林」には、同準則第68条の「(20)保安林」を含み、また「(10)雑種地」には、同準則第68条の「(12)墓地」から「(23)雑種地」まで(「(20)保安林」を除く。)に掲げるものを含む。

【財産評価総則基本通達第2章22-2】(大規模工場用地)
前項の「大規模工場用地」とは、一団の工場用地の地積が5万平方メートル以上のものをいう。ただし、路線価地域においては、14-2≪地区≫の定めにより大工場地区として定められた地域に所在するものに限る。(平3課評2-4外改正)
(注)  「一団の工場用地」とは、工場、研究開発施設等の敷地の用に供されている宅地及びこれらの宅地に隣接する駐車場、福利厚生施設等の用に供されている一団の土地をいう。なお、その土地が、不特定多数の者の通行の用に供されている道路、河川等により物理的に分離されている場合には、その分離されている一団の工場用地ごとに評価することに留意する。


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