宅地の評価を決める路線価方式一つとして、その宅地が正面と側面において路線と接している場合は側面路線影響加算を用います。
条文の文章の中に「角地」という言葉があります。この言葉に注意をしてほしいのですが、ただ正面と側面に路線があるだけでは「角地」ではありません。例えば、L字路のような、一本の道が折れ曲がったような場所の角は、「準角地」になります。二つの道に接している「角地」は、「準角地」よりももちろん便利ですので、それに伴って評価も高くなります。
計算方法
まず、「角地」の評価単価を求めます。正面にある路線価に奥行価格補正率(その路線の奥行や地区によって異なる)を掛けたものと、側方にある路線価に奥行価格補正率、そして側方路線影響加算率(その地区や、「角地」や「準角地」かによって異なる)を掛け合わせたものを足します。この工程が、上の条文での(1)と(2)にあたります。こうして算出された土地の評価単価に、その宅地ごとの地積、つまり土地の面積を掛けることによってその宅地の評価額が分かるのです。
これにならって、普通住宅地区の角地(正面の路線価は500千円、側方の路線価は50千円とする)にある、30m×30mの宅地の評価値を実際に求めてみましょう。まず、土地の評価単価は、500千円×0.98(奥行距離28~32m未満とする)と50千円×0.92(奥行距離4~6m未満とする)×0.03(普通住宅地の角地の値)を足し合わせた、491.38千円となります。そこに地積である30m×30m=900m2を掛ければ、491.38千円×900 m2=442,242千円、つまり、宅地の値が出ます。
以上のように、角地にある宅地の評価値を、側方路線影響加算を用いることによって算出することができるのです。
【財産評価基本通達16】 (側方路線影響加算)
正面と側方に路線がある宅地(以下「角地」という。)の価額は、次の(1)及び(2)に掲げる価額の合計額にその宅地の地積を乗じて計算した価額によって評価する(昭45直資3-13・昭47直資3-16・平3課評2-4外改正)
(1)正面路線(原則として、前項の定めにより計算した1平方メートル当たりの価額の高い方の路線をいう。以下同じ。)の路線価に基づき計算した価額
(2)側方路線(正面路線以外の路線をいう。)の路線価を正面路線の路線価とみなし、その路線価に基づき計算した価額に付表2「側方路線影響加算率表」 に定める加算率を乗じて計算した価額