立竹木の相続税評価における同一標準価額適用地域

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山林を相続によって取得した場合には、山林(土地)の相続税評価の他に、その土地上の樹木の相続税評価が必要になります。では、その際、その評価の基本となる標準価額(1ヘクタール当たりの樹木価額)は、どのような範囲で適用されるのでしょうか。以下で解説します。

立竹木の相続税評価における同一標準価額適用地域とは

財産評価基本通達第5章第2節(113)において、森林の立木の相続税評価における同一標準価額適用地域は、森林法第7条第1項の規定に基づき農林水産大臣が定めたそれぞれの森林計画区に属する森林の地域(林業地帯)ごとに定めるとされています。

よって、森林の立木の相続税評価における同一標準価額適用地域とは、森林法で定める林業地帯ということになります。

その結果、相続によって取得した樹木が同一の林業地帯に属する場合には、その相続税評価の際には、同一の評価単価が用いられることになります。

なお、立竹(庭園内にある立竹を除く)に関しては、森林の立木のように、同一標準価額適用地域に関する財産評価基本通達上の規定はありませんが、こちらも、森林にある立木の相続税評価に準ずるものと考えられます。

森林にある立木と立竹(庭園内にある立竹を除く)の相続税評価について

財産評価基本通達によると、森林の立木又は立竹(庭園内にある立竹を除く)の相続税評価は、1団地ごとに行います。

ちなみに、庭園にある立竹木は、庭園にあるすべての立竹木を1つの単位として評価し、庭園にある立竹木及び森林にある立木以外の立木の評価は、1本の立木ごとに行います。

さて、森林の主要樹種(杉、ひのき、松、くぬぎ及び雑木)で構成される立木の相続税評価額は、財産評価基本通達別表2の「主要樹種の森林の立木の標準価額表等」に掲げる価額に基づく標準価額に、地味級(地味の肥せき)、立木度(立木の密度)、地利級(立木の搬出の利便性)に応じて定め利率を連乗して求めた金額に、その森林の地積を乗じた金額により評価します。

一方、立竹の相続税評価額(庭園内にある立竹を除く)は、売買実例価額、精通者意見価額等を斟酌して評価した1団地ごとの価額となります。

森林にある立木の相続税評価の計算例について

例えば、東京都の林業地帯(多摩地区)にある標準伐期にある杉の標準価額は、390千円/haとなっています。

ここで、標準伐期とは、樹木の伐採に適した樹齢のことで、東京都多摩地区の杉では、55年となっています。

地味級、立木度、地利級を考慮しないとすると、東京都多摩地区の森林にある樹齢55年の杉林50ヘクタールを相続した場合の当該杉の相続税評価額は、39万円/ha×50ha=1,950万円となります。

この計算において、森林の立木の相続税評価における同一標準価額適用地域が森林法上の林業地帯ごとに定められるということは、同じ林業地帯(東京都多摩地区)の別の場所に所在する森林にある杉の相続税評価を行う場合には、同じ標準価額390千円/haを用いて評価額を算定するということになります。


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