貸家建付地の相続税評価の基本

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • LINEで送る

貸家建付地とは、土地の上にある建物を他人に貸し付けている場合の、その土地のことを言います。相続税対策として、不動産投資を行う場合には、この貸家建付地の相続税評価について知っておくことは非常に重要です。そこで、以下では、それについて解説します。

貸家建付地の相続税評価について

貸家建付地の相続税評価は、原則として、当該土地の自用地としての価額に、1から借地権割合と借家権割合を乗じた数値を控除した数値を乗じた価額になります。なお、ここで、自用地としての価額とは、当該地を他人に貸し出していないとした場合の更地価額のことを言います。

よって、例えば、自用地としての相続税評価額が1,000万円で、借地権割合が0.7、借家権割合が0.3の地域にある貸家建付地の相続税評価額は1,000万円×(1-0.7×0.3)=790万円となります。

土地上の建物が共同住宅である場合の貸家建付地の相続税評価について

土地上の建物が一戸建て住宅であるような場合の貸家建付地の相続税評価額は、上記の計算式によって行いますが、土地上の建物がアパートのような共同住宅の場合には、上記の貸家建付地の相続税評価の計算式に賃貸割合による修正を行った価額が、その相続税評価額になります。

ここで、賃貸割合とは、課税時期(相続開始時点)における借地上にある建物の賃貸可能な独立部分の総面積に占める、課税時期において実際に賃貸に出されている独立部分の総面積の割合のことをいいます。例えば、面積が等しい10室の賃貸マンションのうち、7室が実際に賃貸されていれば、賃貸割合はおおよそ70%となります。

土地上の建物が共同マンションである場合の貸家建付地の相続税評価額は、以下の計算式によって行います。それは、貸家建付地の自用地としての評価額×(1-借地権割合×借家権割合×賃貸割合)となります。

例えば、自用地としての相続税評価額が1,000万円で、借地権割合が0.7、借家権割合が0.3の地域にある貸家建付地で、土地上の建物がマンションで、その賃貸割合が0.7である場合の当該土地の相続税評価額は、1,000万円×(1-0.7×0.3×0.7)=853万円となります。

貸家建付地を利用した相続税対策について

貸家建付地の相続税評価額は、その土地の所在地の借地権割合に借家権割合を乗じた割合だけ、更地よりもその相続税評価が低くなります。相続税対策として貸家建付地を利用する場合には、この差を利用します。

また、相続税対策として貸家建付地を利用すると、小規模宅地等の特例による当該土地の相続税評価額の軽減措置を利用することができる場合があります。こちらも、節税対策として非常に有効ですので、要件を満たす場合には、是非利用したい制度の1つです。

※この記事は専門家監修のもと慎重に執筆を行っておりますが、万が一記事内容に誤りがあり読者に損害が生じた場合でも当法人は一切責任を負いません。
なお、ご指摘がある場合にはお手数おかけ致しますが、「お問い合わせ→記事内容に関するお問い合わせ」よりお問合せ下さい。
但し、記事内容に関するご質問や問い合わせにはお答えできませんので予めご了承下さい。


【相続実務アカデミー】実務向け最新の相続知識を無料で!!無料会員登録はこちら
【採用情報 - RECRUIT -】チェスターで一緒に働きませんか?相続業務の魅力・給与・福利厚生ectはこちら
  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • LINEで送る