路線価の高い路線の影響を受ける度合いが著しく少ない場合の評価

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角地/準角地を評価する場合、まず「正面路線がどちらの路線であるか」を決定します。この場合の正面路線は、通達で「路線価が高い側の路線を正面路線とする」旨の規定がなされています。

路線価の高い路線の影響を受ける度合いが著しく少ない場合とは

角地/準角地を評価する場合には「路線価が高い側の路線を正面路線とする」旨の通達がなされています。しかしながらこの通達を適用すると、「路線価の高い路線の影響を受ける度合いが著しく少ない場合」というケースが出てきます。
これは土地の形状によって、「その土地が路線価の低い側の路線に沿って存在しており、路線価の高い側の路線に接している部分の間口が狭く、建築基準法第43条11項にて定められた接道義務:『建築物の敷地は道路に2m以上接していなければならない』という基準に合致するだけの間口を路線価の高い側の路線に確保できていない角地」のことを指します。
この土地の場合は間口が接道義務を満たしていないために、その土地全体が「路線価の高い路線の影響を受ける度合いが著しく少ない」とみなされることになりますが、「路線価の高い路線の影響を受ける度合いが著しく少ない」にも関わらず、国税庁の通達を厳格に適応すれば「狭い間口が接する路線価の高い路線の路線価で土地の評価を行う」ということになり、土地の実態や有効使用の面からも税制上の不利益を受けかねないことになります。

路線価の高い路線の影響を受ける度合いが著しく少ない場合の評価の特例

このような角地/準角地の場合や、たとえ間口が「建築基準法第43条11項を満たす」ものでもそれ以外の事情によって「路線価の高い路線の影響を受ける度合いが著しく少ない」と判断できるものについては、国税庁でも「財産評価総則基本通達第2章16:側方路線影響加算」の例外の判断を設けていて、「その宅地が影響を受ける度合いが最も高いと認められる路線を正面路線とする」ことを了解しています。
これにより、宅地の形状によっては接続する路線価の額にかかわらず、「宅地が影響を受ける度合いが最も高い」路線を正面路線とすることも認められています。
この点は個々のケースにより「影響を受ける度合いが著しく少ない」のかどうかの基準が異なってくるので、該当する角地もしくは準角地を所有されている場合は、相続等で税が発生する前に税務署や税理士等に確認を行っておくのが賢明と思います。

路線価の高い路線の影響を受ける度合いが著しく少ない場合の評価方法

尚、国税庁ではこのような路線価の高い路線の影響を受ける度合いが著しく少ない場合の評価を行う場合は、全体を不整形法による評価で価額を算出するのではないという点も定めています。
評価方法は「間口部分」と「それ以外の部分」に分けて、間口部分は整形法での宅地評価を行って価額を算出し、それ以外の部分ではそれ相当の内容での評価を行って価額を算出した上で、両者の評価額を足し算した合計額がこの宅地の税制上の評価価額となります。

【財産評価総則基本通達第2章16】(側方路線影響加算)
正面と側方に路線がある宅地(以下「角地」という。)の価額は、次の(1)及び(2)に掲げる価額の合計額にその宅地の地積を乗じて計算した価額によって評価する(昭45直資3-13・昭47直資3-16・平3課評2-4外改正)
(1) 正面路線(原則として、前項の定めにより計算した1平方メートル当たりの価額の高い方の路線をいう。以下同じ。)の路線価に基づき計算した価額
(2) 側方路線(正面路線以外の路線をいう。)の路線価を正面路線の路線価とみなし、その路線価に基づき計算した価額に付表2「側方路線影響加算率表」 に定める加算率を乗じて計算した価額

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