整形地において「間口が狭い宅地」というのは、次のような宅地のことを指します。
(1)一般的に「うなぎの寝床」と称されるような、路線に接する間口に対して奥行距離が著しく長い宅地の場合。
(2)宅地自体は縦横の長さがバランスを持った整形地ではあるが、その整形地に接する路線がカーブしたり折れ曲がったりしていることで、整形地が路線に接している部分が他の宅地や田畑などの路線以外の土地に接している部分よりも著しく少ない場合。
このような土地に対して一般的な路線価方式で価額評価を行うことで、土地への評価価額が実状とは異なってしまうケースが生じてしまう問題が生じます。
間口が狭い宅地の評価方法
国税庁ではこのような間口が狭い宅地の評価方法においても、実状に合った評価方法の具体例を示して正しく評価価額が算出されるようにしています。それは宅地に接する路線の路線価に、財産評価総則基本通達で定められた「奥行価格補正率」と「間口狭小補正率」の両方を掛け算して、間口が狭いという前提での路線価を補正した補正路線価を基にして土地の評価を行うことにしています。
また更に「奥行が長大」という条件に該当する間口が狭い宅地の評価方法については、上記で求めた補正路線価に、更に「奥行長大補正率」を掛け算して、路線価を間口と奥行の両方で補正した補正路線価を基にして評価を行います。
尚、「間口が狭い宅地」および「奥行が長大の宅地」は、国税庁では路線価方式で定める地区区分毎に次の通りの長さを決めています。
【財産評価総則基本通達第2章20-3】(間口が狭小な宅地等の評価)
次に掲げる宅地(不整形地及び無道路地を除く。)の価額は、15≪奥行価格補正≫の定めにより計算した1平方メートル当たりの価額にそれぞれ次に掲げる補正率表に定める補正率を乗じて求めた価額にこれらの宅地の地積を乗じて計算した価額によって評価する。この場合において、地積が大きいもの等にあっては、近傍の宅地の価額との均衡を考慮し、それぞれの補正率表に定める補正率を適宜修正することができる。(平11課評2-12外追加)
(1) 間口が狭小な宅地 付表6「間口狭小補正率表」
(2) 奥行が長大な宅地 付表7「奥行長大補正率表」【財産評価総則基本通達第2章付表6】間口狭小補正率表(昭45直資3-13・平3課評2-4外・平18課評2-27外改正)
※本表は平成19年分以降用です。
地区区分
間口距離
(メートル)ビル街地区 高度商業地区 繁華街地区 普通商業・
併用住宅地区普通住宅
地区中小工場地区 大工場地区 4未満 – 0.85 0.90 0.90 0.90 0.80 0.80 4以上6未満 – 0.94 1.00 0.97 0.94 0.85 0.85 6 〃 8 〃 – 0.97 1.00 0.97 0.90 0.90 8 〃 10 〃 0.95 1.00 1.00 0.95 0.95 10 〃 16 〃 0.97 1.00 0.97 16 〃 22 〃 0.98 0.98 22 〃 28 〃 0.99 0.99 28 〃 1.00 1.00 【財産評価総則基本通達第2章付表7】奥行長大補正率表(昭45直資3-13・平3課評2-4外改正)
地区区分
奥行距離 間口距離 ビル街地区 高度商業地区
繁華街地区
普通商業・
併用住宅地区普通住宅地区 中小工場地区 大工場地区 2以上3未満 1.00 1.00 0.98 1.00 1.00 3 〃 4 〃 0.99 0.96 0.99 4 〃 5 〃 0.98 0.94 0.98 5 〃 6 〃 0.96 0.92 0.96 6 〃 7 〃 0.94 0.90 0.94 7 〃 8 〃 0.92 0.92 8 〃 0.90 0.90 【財産評価総則基本通達第2章14-2】(地区)
路線価方式により評価する地域(以下「路線価地域」という。)については、宅地の利用状況がおおむね同一と認められる一定の地域ごとに、国税局長が次に掲げる地区を定めるものとする。(平3課評2-4外追加)
(1) ビル街地区
(2) 高度商業地区
(3) 繁華街地区
(4) 普通商業・併用住宅地区
(5) 普通住宅地区
(6) 中小工場地区
(7) 大工場地区
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