一部償還が行われたものもありますが、MMF(マネー・マネージメント・ファンド)は、元割れのリスクが少ない金融商品として証券会社でも主力の投資信託となっています。そんなMMFの相続が発生した場合、通常の投資信託の相続税評価となにが異なるのでしょうか。MMFと相続税評価について解説します。
1.MMF(マネー・マネージメント・ファンド)とは?
>>無料会員に入会すると、実務で使えるオリジナル書式をプレゼント!!MMF、マネー・マネージメント・ファンドというのは、投資信託のひとつです。まず投資信託というのは、投資家から資金を集めて、専門の機関が投資を行うという性質の投資商品となります。
たとえば株式投資を行うとなると最低購入口数が決まっていますから、投資できる株式の金額は準備金によっても異なってくるわけです。しかし、投資信託では資金をまとめて投資するため、リスク分散を自然に行うことができます。投資家によってもメリットのある投資方法のひとつというわけです。
さて、そんな投資信託ですが、株式に投資するのか、債券に投資するのか、または不動産や外国株式などを含めて総合的に投資するのかというのは商品によって異なります。株式に特化したものもあれば、総合的な投資によりリスク分散をしているものもあるというわけです。
MMFは、中でも追加型の公社債に特化した投資信託となります。また、公社債の中でも短期であるものを中心としていることから、元割れのリスクが少ないとされている金融商品です。
短期の公社債を取り扱うという点ではMRF(マネー・リザーブ・ファンド)と似ていますが、証券口座に入れれば自動的に取り扱われるMRFと異なり、MMFの場合は投資者自らが手続きする必要があります。
2.MMF(マネー・マネージメント・ファンド)の相続税評価
1口当たりの基準価格×口数+再投資されていない未収分配金(A)-Aにつき源泉徴収されるべき所得税の額に相当する金額-信託財産留保額及び解約手数料(消費税額に相当する額を含む)
MMFの相続税の評価計算においてまず重要になってくるのが1口当たりの基準価格です。
基準価格とは、株式の相続税評価などに用いる課税時期が重要となります。相続の場合、課税時期とは、被相続人が亡くなった日のことです。つまり、投資信託の相続税については、課税時期における時価によって判断されるということになります。
この基準額に口数を掛けた数が単純な評価額となるわけですが、より詳細な評価額を出すために、再投資が行われていない未収分配金を足し、減少徴収相当額や解約手数料を引いて最終的な評価額を算出します。ちなみに信託財産留保額というのは解約手数料とは異なり、短期投資を減らし安定的に資金を運用するための費用のようなものです。
評価額の計算においては、基本的にはほかの投資信託と同じですが、未収分配金を加算する手順がありますので注意するようにしましょう。
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