貸駐車場として利用している土地の相続税評価3パターン

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所有している土地を有効活用したいということで駐車場経営をしていることは多いと思います。相続財産の評価をする際は、青空駐車場として貸し付けているのか、土地を業者に貸し付けて業者がアスファルト等の施設を造っているのかなどの状況により相続税評価が異なります。それでは以下で具体的に見ていきましょう。

1. 土地所有者自身がアスファルト舗装等の設置をしている場合

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土地所有者が、所有している土地をそのままもしくはアスファルト舗装やフェンス等の設置をして、貸駐車場として利用している場合、相続税評価の際は自用地として評価します。

駐車場経営をすることはその場所で自動車の保管を引き受ける契約であり、土地の利用そのものを目的とした賃貸借契約とは本質的に異なると考えられ、駐車場の利用権が土地自体に及ぶものではないとされるためです。

このような場合の貸駐車場の形態として、青空駐車場やアスファルトを施した形態が考えられると思います。どちらにしても自用地での評価になることは変わりませんが、アスファルトや砂利を施している場合は、構築物の敷地として利用されていることになり、要件を満たせば小規模宅地の評価減の特例の適用を受けることができます。

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2. 土地を借りている者がアスファルト舗装等の設置をしている場合

一方、土地を事業者に貸し付けて事業者がアスファルト舗装やその他駐車場設備等の設置を施した場合は、相続税評価が変わってきます。この場合は、土地の所有者自らが駐車場経営をしているわけではないので、土地の賃貸借として考えます。

その土地の自用地評価額から賃借権の価額を控除した額が相続税評価額となりますが、控除できる賃借権価額は、次の2パターンに分かれます。

2-1.地上権に準ずる権利として評価することが相当と認められる賃借権

賃借権の登記がされているものや、対価として権利金や一時金の支払いがあるもの、堅固な構築物の所有を目的とするものについては、以下のように計算します。

控除できる価額=自用地評価額×賃借権の残存期間に応じその賃借権が地上権であるとした場合の法定地上権割合または借地権であるとした場合の借地権割合のいずれか低い割合

<賃借権の残存期間による自用地としての価格に乗じる割合>
5年以下:5%
5年超10年以下:10%
10年超15年以下:15%
15年超:20%

ただし、地上権は非常に強い権利であるため実務的にはほとんどありません。一般的には次のように計算した額を借地権の価額として控除することが多くなっています。

2-2.それ以外の賃借権

上記以外の場合、自用地評価額から控除できる額は以下のようになります。

控除できる価額=自用地評価額×賃借権の残存期間に応じその賃借権が地上権であるとした場合の法定地上権割合の2分の1に相当する割合

賃借権の残存期間による自用地としての価格に乗じる割合
5年以下:2.5%
5年超10年以下:5.0%
10年超15年以下:7.5%
15年超:10.0%

対象となる土地の自用地評価額が1億円の場合、借地権の残存期間が15年超であれば1,000万円を借地権の価額として差し引くことができるので、相続税評価額は9,000万円になります。

これらの場合も、土地が構築物の敷地になっているため、要件を満たせば小規模宅地の評価減の特例の適用を受けることができます。

3. 貸しビルやマンション、店舗棟の専用駐車場の場合

駐車場の場合、もうひとつ考えられる利用状況は、貸しビルやマンション、店舗棟の専用駐車場として使用しているケースです。

この場合は、貸しビルなどの敷地と一体化して使用していると考えられるので、貸しビル等の敷地と同様、貸家建付地として評価をします。ただ、一体として貸し付けられているかどうか、他の利用者がいないかどうか等、契約書の内容や実態をよく調査して確認する必要がありますので注意が必要です。

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