相続税申告における税理士関与割合は89.8%【平成27年度】

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税理士関与割合とは、相続税や法人税といった各税目に関する申告手続の際に、税理士が各種申告書の作成に関与する割合を意味します。なかでも、相続税の申告における税理士関与割合の具体的な数値、さらに数値の根拠として考えられる理由や背景について、紹介していきましょう。

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1.約9割の相続税申告案件に税理士が関与、自分で申告は1割

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2016年10月に財務省より発表された「平成27事業年度 国税庁実績評価書」によれば、相続税申告手続に税理士が関与した割合は89.8%です(下図参照)。平成23事業年度以降、5年間の経年データにおいても、相続税申告における税理士関与割合は、88%台から89%台と比較的高い数値を示しています。

上記のデータから、約1割の人々は自身で相続税申告を行ったものの、約9割にあたる大半の人々が、申告の際に税理士のお世話になっているという構図が見て取れます。さらに、所得税および法人税といった他の税目と比べた場合、相続税申告の税理士関与割合が相対的に高いことも明白です。
相続税申告において、より一層税理士が必要とされている理由および背景について、次章で確認していきましょう。

相続税申告における税理士関与割合は89.8%【平成27年度】

財務省発表資料より引用)

2.他の税目に比べ、相続税申告の税理士関与割合が高い理由

2-1.定期的に実施する申告手続ではない

所得税の確定申告や法人税の申告手続は、いったん事業主などの申告義務を有する対象者となれば、基本的に継続して毎年実施することになります。一方、相続税に関する申告手続は、被相続人が亡くなり、何らかの財産等を相続したときのみに発生するのが一般的です。人によっては、相続税の申告手続をする機会が、一生で一度きりとなる場合も少なくありません。したがって、税法に精通している税理士に諸手続をお任せしたほうが、初心者の自分が行うよりも安心だと考える人が多く見られます。

2-2.相続する遺産が高額となる場合には、申告誤りによる金額的影響が大

相続税評価の対象となる遺産には、各種土地や建物など、高額の資産が含まれることが多く、なかには、相続する遺産の総額が、億単位にのぼる可能性もあります。高額の遺産を相続し、万が一、相続税の納税額の誤りを税務署から指摘された場合には、追徴課税もかなりの高額となる可能性は否めません。したがって、税理士に相談することによって、事前に相続税申告に関する的確な助言をもらい、過少または過大申告となるリスクを最小限にとどめることが重要となります。

2-3.手続自体が複雑で高い専門知識が必要

遺産には、土地や建物、株式といった全ての資産や負債が含まれ、相続税評価は個別の関係法令や特例に沿って行う必要があります。また、相続人の範囲や、法定相続分の考え方を厳密に理解し、何がどの程度、どの相続人の相続財産の範囲に含まれるべきか、的確に判断する知識も必要です。

さらに、所得税の確定申告書類などと比べると、格段に用意すべき添付書類等も多く、一般の場合の相続税申告書だけでも、第1表から第15表まで細かく分かれています。
参考として、相続税申告書の様式は、国税庁ホームページをご覧ください。

以上の理由から、十分な関係法令の理解と実務経験に裏付けされた、高い専門性を持つ税理士が活躍する機会は、他税目よりも相続税申告で増える傾向となっています。


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