定期贈与(連年贈与)とみなされないための3つの予防策

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • LINEで送る
定期贈与(連年贈与)とみなされないための3つの予防策

平成27年以降の相続から、遺産にかかる基礎控除の額が大幅に引き下げられたこともあり、相続税対策として生前贈与が注目されています。贈与税には基礎控除があるため、年間110万円までであれば無税で贈与できます。しかし、定期贈与とみなされてしまうと贈与税の対象になるため注意が必要です。

【相続実務アカデミー】実務向け最新の相続知識を無料で!!無料会員登録はこちら
【採用情報 - RECRUIT -】チェスターで一緒に働きませんか?相続業務の魅力・給与・福利厚生ectはこちら

1.定期贈与(連年贈与)とは?

>>無料会員に入会すると、実務で使えるオリジナル書式をプレゼント!!

定期贈与とは、一定期間において一定額の給付を目的とする贈与です。例えば、「毎年4月1日に500万円ずつ子や孫に贈与する」ということは定期贈与になります。毎年繰り返し贈与を行うことを連年贈与とも言います。連年贈与をすることは問題ありませんが、それが定期贈与とみなされてしまうと、たとえ贈与額が110万円の基礎控除の範囲であっても、贈与税の対象となってしまうので注意が必要です。

あらかじめ、「毎年110万円を20年間にわたって贈与する」という行為は定期贈与に当たります。贈与税を払わずに贈与できると思っていても、定期贈与とみなされると総額の2,200万円に対して贈与税が課せられることになってしまいます。

贈与を否認されて相続税の対象となるのも、相続人にとってはダメージが大きいですが、定期贈与とみなされて贈与税の対象となった場合、贈与税率の高さを考えるとより大きな痛手となってしまいます。

2.定期贈与(連年贈与)とみなされないための3つの予防策

それでは、定期贈与とみなされず上手に生前贈与を行うために、どんな予防策を取ればいいのでしょうか。

2-1.贈与契約書の作成

生前贈与を行う際は、「贈与をした証拠」を残しておくことが重要です。一見、逆のように聞こえるかもしれませんが、定期贈与とみなされないためにはきちんと証拠を残すことが有効な手段になるのです。
証拠を残す手段のひとつが、贈与をする度に贈与契約書を作成することです。契約書を交わすということは、その都度、贈与契約の合意をしたということにもなるので、定期贈与とみなされにくくなります。ただし、「毎年○○円の贈与を10年間にわたって行う」などの内容では、定期贈与となってしまいます。あくまでも「贈与を行う度に」契約書を交わすことがポイントです。

2-2.贈与税の申告を行う

生前贈与を行った証拠を残すためには、あえて贈与税の申告をするのもいいでしょう。基礎控除の110万円以下の贈与では贈与税はかかりませんが、あえて基礎控除を少し超える額の贈与を行い、低い税率で贈与税を支払います。基礎控除を差し引いた後の贈与額で200万円までなら10%の税率です。例えば年間120万円の贈与を行って、基礎控除を差し引いた10万円に対して1万円の贈与税を支払って申告書を受け取れば、それも立派な証拠となります。

2-3.時期や金額を変えて行う

毎年、同じ時期に同じ金額を贈与すると、定期贈与とみなされる可能性が高くなります。連年贈与を行うにしても時期や金額を変えて贈与しましょう。毎年、基礎控除の110万円を贈与するのではなく、ある年は100万円、翌年は110万円というように金額を変えます。さらに、ある年は1月10日、翌年は4月1日というように贈与する日も変えるといいでしょう。


【相続実務アカデミー】実務向け最新の相続知識を無料で!!無料会員登録はこちら
【採用情報 - RECRUIT -】チェスターで一緒に働きませんか?相続業務の魅力・給与・福利厚生ectはこちら
  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • LINEで送る