保険金や保険契約に関する権利について相続税の課税対象となるもの
一定期間内に保険事故が発生しなかった場合に返還金等が発生しない、いわゆる掛け捨ての保険契約を除く生命保険契約の保険金又は損害保険契約について、被相続人の死亡を原因として相続人等の権利とみなされるものは、本来は相続財産ではありませんが相続税の課税対象となることが相続税法に規定されています。
その範囲は、
・被相続人の死亡による生命保険契約の保険金又は損害保険契約の保険金受取人が受け取った保険金
・相続開始時にまだ保険事故が発生していない生命保険契約で、被相続人がその保険料の全部又は一部を負担し、かつ、被相続人以外の者がその生命保険契約の契約者である生命保険契約の契約に関するその契約者の権利
のうち、被相続人が負担した保険料の相続開始の時までに払い込まれた保険料全額に対する割合に相当する保険契約に関する権利が対象となります。
保険金受取人が取得した保険金で課税関係の生じない場合
被相続人の死亡により保険金受取人が取得した保険金の額のうち、被相続人がその保険料の全部又は一部を負担し、かつ、その保険金受取人がその生命保険契約の契約者である生命保険契約の契約に関するその契約者の権利のうち、被相続人が負担した保険料の相続開始の時までに払い込まれた保険料全額に対する割合に相当する部分の保険契約の権利を相続又は遺贈により取得したとみなされる場合のその部分や、保険金受取人が自己で負担した保険料の金額に対応する部分の金額については、相続又は遺贈によって取得する財産とはみなされないとされており、相続税の課税対象にはなりません。
【財産評価基本通達 3-38】(保険金受取人が取得した保険金で課税関係の生じない場合)
保険金受取人の取得した保険金の額のうち、法第3条第1項第3号の規定により当該保険金受取人が相続又は遺贈により取得したものとみなされた部分に対応する金額又は自己の負担した保険料の金額に対応する部分の金額については、相続又は遺贈によって取得する財産とはならないのであるから留意する。