エアコンの相続税評価は原則個別にする必要なし

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相続する居住用家屋や事業所等に、エアコンが設置されている場合、相続税評価はどのようにおこなうのが正しいのでしょうか。税法上の基本的な考え方と、相続税評価をおこなう場合の具体的な方法について、ご紹介していきます。

1.エアコンは原則“建物附属設備”に該当するため個別に評価不要

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エアコンが、そもそも「建物附随設備」に該当するかどうかは、相続・贈与税関係の基本通達「財産評価」第3章92を確認すれば明白です。

建物附随設備は、3つの区分に分けて定義されており、その一区分として、「家屋と構造上一体となっている設備」があります。さらに、具体例として「給排水設備」や「温湿度調整設備」などが挙げられていることから、エアコンは、建物附属設備であると判断するのが一般的です。

したがって、相続税評価を実施する際には、エアコンの評価額は個別に算定せず、家屋全体の評価額に含まれることになります。

ちなみに、前述の家屋と一体となっている設備のほかに、門や塀などの外構設備や、庭木および庭石などの庭園設備も、別区分にて建物附随設備に含まれています。ただし、それらの相続税評価については、個別に定められている方法により評価額を決定するルールとなっていますので注意が必要です。

2.家屋と構造上一体となっていない場合には別途“一般動産”として評価

但し、設置されているエアコンが、構造上、家屋と別個になっている場合には、「一般動産」として個別に相続税評価をおこなう必要があります。

具体的には、基本通達「財産評価」第6章第1節に基づき、評価額を決定します。まずは、基本通達で定められている原則にのっとり、エアコンの売買実例価額、あるいは、関連市場に精通している専門家等の意見価格があるかどうか確認することが必要です。もし、それらの価額が存在すれば、エアコンの相続税評価額として採用できます。

一方、売買実例価額等がない場合には、相続するエアコンと同じ規格を持つ新品の小売価額を調べ、経過年数に応じた減価償却費を考慮して、評価額を算定することも可能です。その際の減価償却費は、エアコンの購入時から課税時期に至る期間の累計額としなければなりません。

もし、購入年以降の経過年数について、1年未満の端数が生じる場合には、その端数分は繰り上げて1年とみなし、減価償却費を算定します。ちなみに、エアコンの耐用年数は6年で、償却方法は定率法となります。

なお、基本通達によれば、一般動産の相続税評価は、1個あるいは1組ごとにおこなうのが原則です。しかし、それぞれの単価が5万円以下と少額の「家庭用動産」に該当する場合には、評価単位に関する例外規定が設けられているため、その必要はありません。したがって、単価が5万円以下の一般動産に該当するエアコンは、一世帯ごとにまとめて評価額を算定することもできます。

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