相続税申告で“死亡診断書”の費用は債務控除可能

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相続税申告で“死亡診断書”の費用は債務控除可能

相続税を計算するときは、遺産総額から借入金などの債務や葬式費用を控除できます。葬式費用には、医師に交付してもらう死亡診断書も含まれます。死亡診断書の概要や相続税債務控除との関係、医療費控除上の取り扱いについてご紹介します。

1.死亡診断書とは

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1-1.死亡診断書に記載される内容

死亡診断書は、人が死亡したことを医学的、法律的に証明する意義を持つ書類です。生から死への変化の事実が医学的、客観的に記載されます。記載内容の例は下記のとおりです。

・死亡した人の氏名、生年月日
・死亡した年月日と時刻、住所
・死亡した原因、手術の有無
・解剖の有無
・診断年月日
・診断書発行年月日
・医師の氏名

国の死因統計作成の資料にも役立っており、医師や歯科医師には死亡診断書交付が義務付けられています(医師法第19条、歯科医師法第19条)。

1-2.死亡診断書交付のためには診察が必要

死亡診断書を交付する医師、歯科医師には自ら診察することが定められています。診察しないで死亡診断書を交付することはできません。しかし、診療継続中の患者が診療中の傷病が原因で受診後24時間以内に死亡した場合は診察なしで交付できます。受診後24時間を超えて死亡した場合は診察を改めて行い、生前診療していた傷病に関連していると判定できれば交付可能です。いずれにも該当しない場合は、死体の検案が必要となります。

診療継続中とは、かかりつけ医の管理下にある状態を指します。入院や定期的な通院で治療や療養指導を受け、薬剤投与を受けるなどしていた場合です。通院頻度の明確な定義はなく、何日前までの診察でよいかの判断は医師に委ねられているのが現状です。

1-3.死亡届の提出時にも死亡診断書が必要

死亡を知った日から7日以内に親族等が役所へ死亡届を提出する際、死亡診断書も一緒に提出します。死亡した人の死亡地や本籍地だけでなく、届出人住所地の役所でも提出できます。

死亡届の書類は死亡診断書と一緒になっており、病院で渡されることが一般的です。死亡届の記入は届出人が行います。死亡した人の住所や本籍、職業等を記入します。届出人になれるのは親族や同居人、家主や後見人等です。死亡届提出の際には、火葬許可の申請も合わせて行います。

2.相続税申告で“死亡診断書”の費用は債務控除可能

死亡診断書の料金は保険診療外となります。相続税を計算するときに葬式費用として控除できますが、被相続人が死亡した年の医療費控除に含めることはできません。

・生前に病院へ支払った治療費や入院費…被相続人の準確定申告で医療費控除申請可能
・死亡後に病院へ支払った治療費や入院費…被相続人と生計を一にしている親族の確定申告で医療費控除申請可能
・死亡後に交付された死亡診断書…相続税申告で債務控除可能

被相続人の死亡後に病院から発行される入院費等の領収書に死亡診断書分が含まれていたとしても、上記のとおり分けて計算し申告する必要があります。


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