日本のような食糧自給率の低い国にとって、農業を営んでいる農家の存在はとても大切なものですが、土地をたくさん持っている農家にとっては、相続税の負担も馬鹿になりません。相続税を支払うために、大切な農地を売ってしまい、結果として農家が減ってしまうのは、国にとってもよくありません。
また自分の子供に農業を継がせたい場合でも、農地に多額の相続税や贈与税が課税されれば、次の世代に農業を伝承していくことが難しくなります。
そこで国は、農地について相続税や贈与税の特例を設けています。これは、相続が起きた後や、生前に農地を贈与する場合に、農地を受け継いだ人が、農業を続けることで、その農地にかかる相続税や贈与税を猶予するというものです。この特例を適用するためには様々な要件がありますが、代表的な要件は、農地を相続もしくは贈与により取得した人は、続けて20年間は最低でも農業を継続して行わなければならないというものです。
この農家を守る特例により、たくさんの農地を持つ農家が、税金負担のために農業を辞めてしまうことを防いでいるのです。
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