居住用不動産とされるもの
控除には配偶者控除というものがあります。これは贈与税に該当する控除のもので、居住用不動産、もしくはそれを取得するのに値する金銭を贈与された場合のみに発生するという限定的で少し特殊な控除ではあります。
この適用を受ける条件としては婚姻期間が20年以上であることがあげられます。そして控除される金額も制限なしというわけではなく2000万円までということになっています。
そしてその居住用不動産と判定するのも相続税基本通達という規定で判断がされます。これによって何が居住用不動産か、店舗と併用している場合にはどこまでが該当すると見なされるか、と様々なケースの場合の規定が記されています。
さて、この配偶者控除は居住用不動産の贈与かそれに該当する金銭を贈与された際に発生するとしました。ではそれと同時にそれ以外の財産を取得した場合、ようするに居住用不動産と同時に居住用不動産以外の財産を取得した場合には一体どういった扱いになるのでしょうか。
配偶者控除は前途した通りに居住用不動産とそれを取得するに値する金銭に発生する控除です、しかし、この相続税基本通達において該当する金銭は居住用不動産を取得するために充てられたものとして取り扱われます。なので居住用不動産以外の財産を取得してもこの配偶者控除に値する財産と見なされるということです。
ただし、こちらも前途したように控除される金額は2000万までなので、この規定を利用する場合でもその上限には気をつけてください。
(居住用不動産と同時に居住用不動産以外の財産を取得した場合)
21の6-5 配偶者から贈与により取得した金銭及び当該金銭以外の資金をもって、居住用不動産と同時に居住用不動産以外の財産を取得した場合には、法第21条の6第1項の規定の適用上、当該金銭はまず居住用不動産の取得に充てられたものとして取り扱うことができるものとする。(昭41直審(資)5追加、昭50直資2-257改正)