転居をしていても該当する可能性はある
相続税の特例として小規模宅地等の特例というものがあります。
相続税で相続されるのは何も単純な金銭だけではありません。時には土地とそれに伴い宅地を取得する場合もあります。この時、その相続される直前までにその宅地が居住用や事業用として供されていた場合にはその限度面積の部分は相続税の課税の計算において、その価額が一定の割合で減額されます。
ただし、3年以内に贈与で取得した宅地等は適用がされません。そしてこの特例の対象である宅地等として特定事業用、特定居住用、特定同族会社事業用、貸付事業用のどれかに該当する必要があります。
さて、その宅地が相続直前までに居住用や事業用として供されていたことが条件となっています。ではその相続人が転居していて、その相続人が敷地を相続して取得した場合には規定ではどうなるのでしょうか。
まずその家屋が被相続人か被相続人とその親族によって所有されていて、その親族が3年以内に転居していた場合には、転居後の居住部分が空室のままで、被相続人の居住用家屋としての申告があり、相続直前まで他の部分に被相続人が居住していた場合には規定によって相続人やその配偶者の所有する家屋に居住したことがない者となり、特定居住用として小規模宅地等として認められます。
ただし、条件を満たさず自己か配偶者の所有する家屋に居住していて、被相続人に配偶者や同居親族が存在する場合には違ってきます。